雪彦山でアルパインクライミング
<三峰・地蔵岳エリア>
 
雪彦山でアルパインクライミング<三峰・地蔵岳エリア>


●場 所:雪彦山(三峰エリア・地蔵岳エリア)
●日 時:2002年(H14)5月27日
●メンバー:助役、佐野さん、てる



雪彦山でアルパインクライミング<三峰・地蔵岳エリア>
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雪彦山でアルパインクライミング<三峰・地蔵岳エリア>
登山口にある小屋で
登山届けを出す

本来は御在所岳の藤内壁に登る予定でしたが、オールドクライマーさん(囲炉裏外)が事情があって欠席となり、急遽行き先を変更。雪彦山となりました。
 自分にとってはフリークライミングを始めたときから登りたいと思っていた岩場でした。長い間の念願が叶った一日でした。

 前夜、大阪駅に集合し僕の車で雪彦山の麓へ。ガラーンとした駐車場にテントを設営してから、腰を据える。各々コンビニで買ったアルコール類を持ってまずは乾杯。およそ1時間ほど歓談にふけって就寝。

【いざ岩場へ】6時頃
 5時に起床。朝食を取って支度を整え6時に出発。さすがにこの時期になると5時前には空も明るい。昼間は暑いので早めに動こうとなった。

 登山口にある小屋の窓口で登山届けを出して、三峰エリアに向かう。その昔、矢問さんたちとハイクに着た雪彦山。そのときに下った登山道を登る。
 が、途中でどうも登りすぎていることに気づく。振り向くと三峰の壁らしきものが立木の隙間から見えている。そのとき、誰も地図を持ってきていないことに気が付いた。みなが持ってくるだろうとお互い持ってこなかったのだ。(^^;

 仕方がないのでトポを片手に検討し直す。出合とよばれる本谷と不行沢らしきところの分岐まで戻ると、沢に沿ってテープが付いている。このテープに導かれるように登っていく。が、これも地蔵岳の右を巻くように道が付いていて、途中で三峰の岩場らしきものが見えたので引き返す。どうやら地蔵沢の右岸を巻いている道のようだ。紅葉滝と思われる滝の音が近くでしていた。なかなかたどり着けないなぁ。(^^;

 不行沢と地蔵沢の出合まで戻り、今度は不行沢を遡行する。ほとんど涸沢だ。少し登ると遠目にチョックストンが見えた。やっと目印になるものがでてきてホッとする。三峰エリアへはここから左へ向かう。するとみごとな前傾壁が見えてきた。やっと到着。(=_=;) 公表40分のところを1時間半もかかってしまった。(^^;


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賀野神社付近から撮影した岩場の全景
(黄色は三峰エリアの登った部分)
地蔵岳部分の拡大図


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各岩場への分岐点となる
チョックストーン


【三峰のクラッシックルートを攻める】8時頃
 休憩と偵察を兼ねて三峰エリアを見回る。フリールートもありそうだが、明確ではない。しかし、これだけハングな岩場が関西にあるのに、それほどフリーでは有名ではないは何故か不思議だ。
 僕らはピナクルの右側をバンドに沿って右上に登る「三峰正面ルート」と呼ばれるW級A0ルート40mに取り付く。ジャンケンで勝った人から順番を選ぶのだが、佐野さんが勝って、助役にトップを譲った。(^^;

 このルート、本来はピナクルのすぐ右から取り付いて斜上していくということを、助役が登った後に来た通い慣れたおっちゃんクライマーから聞いた。
 そうとは知らない助役は、ハング下にある岩小屋のようにポッカリ空いた空間から登り始めた。高さ1m30cmほどの空間で、そのままではとても登れないため、リングボルトから取ったスリングに足を入れて、よじ登る。あとで自分も登るのだが、とても登れたものではなかった。う〜ん、助役はやっぱり変態だ。(^^;
 下から見る限りでは、バンドづたいに斜上し快適に登れそうに見えるが、助役はかなり苦戦している。乗り越しではA0で突破しかなり時間をかけてコールがあった。


雪彦山でアルパインクライミング<三峰・地蔵岳エリア>
みごとな前傾壁の三峰エリア


 次は僕。う〜ん、少し緊張。さぁ行くぞぃ!。…ん?。の、のぼれん!。(^^; 助役と同じルートで取り付くが、ホールドがどれも甘くて体重を支えきれない。何度もパターンを変えて、挙げ句の果ては佐野さんに体を押してもらって、最後は空荷で登るもダメ。(ToT)
 そこへ先ほどの話、おっちゃんクライマーの登場。その方に説明を受けてピナクルの右から、はずれそうなスタンスに足を置いて突破。おっちゃんが来るまでは、こんなスタンス、剥がれそうでとても体重を預けれたものではないと言っていたホールドだった。

 ここからは快適に… と思ったら大間違い。下から見るより壁が立っている。一部は少しかぶっていて微妙なバランスが必要となる。
「中へ入るな!外へ出ろ!」と下から檄が飛ぶ。さきほどのおっちゃんだ。バンドに乗って登るのではなく、外へ体を出して上へ登れと言っているようだ。 言われたとおり体を外へ持っていくと、なるほどスタンスもある。ホールドも体が外へ振った分、かかりが良くなった。(^^) サンキューおっちゃん!

 しかし、フリークライミングとは違った恐怖感に心臓はバクバク、喉はカラカラ。セカンドでこれだ。トップならどんな心境だろうと思うと、今の僕にはとてもトライする気持ちにはなれない。 しかもボルトはリングボルトばかり、しかもハーケンもあって落ちるに落ちれない。よくこんなところを助役はトップで登ったもんだと、つくづく感心させられる。
 まさに必死のぱっちで1P目を登り切った。
 佐野さんが登ってくるまでの間、限られた者だけが見ることができる風景を堪能する。


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下から見るとそれほど厳しくは見えない正面ルート
ところが登ってみるとすっとこどっこい!
クライマーは助役
  佐野さんも登ってきた


 佐野さんが到着し、2P目にトライする。今度は佐野さんがトップを行く。右上のブッシュに体を潜り込ませたあと、動きが止まった。 すると右奥のバンドに下ってくる佐野さんの姿が見えた。どうも登り切れない様子。戻ってきた佐野さんの意見で降りようということになった。


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トップを登り「久しぶりに口から魂が
出た」と笑う助役(^_^;
   佐野さんはルートの探索に余念がない



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40mの懸垂下降
途中からは空中懸垂になった


 50mロープ2本を使い懸垂を開始。ところが、残置しているハーケンがどうも信頼が置けない。リングボルトなども古いが、とにかくあるだけの支点にバックアップを取り、まず助役が降下していく。
 途中で止まったまま動きが無くなった。しばらくすると立木がバキバキと折れる音がして、しばらくしてからコールがあった。ホッ。あとで聞いた話、ロープがからんでいて、ほどくのに時間がかかったのと、立木がじゃまして降りるのに手間取っていたとのこと。登りも下りも助役様々だった。(^^;

 次は僕。主の支点であるハーケンが微妙にたわんでいるように見えるが、最悪落ちたら立木へダイビングしてやれ!と心を決めて降下。 9mmロープだから自分の体重だけで簡単にスルスルと降りてゆく。制動をかけるのに必死でこれなら革の手袋を持ってくれば良かったと思っても後の祭り。
 途中から空中懸垂になり、さらに滑る。火傷になるかと思うほど全握力でロープを握りしめて、何とか無事に地面を踏むことができた。手は真っ赤っか。(=_=;)  最後に佐野さんも無事着地。


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沢沿いに咲いていた
キク科の花かな?


【地蔵岳東陵ルート】
 まだ、11時過ぎだったが朝が早かったせいか、みなお腹がペコペコ。三峰エリア前で早い昼食となった。
 昼食後、今度は地蔵岳の東陵ルートに取り付こうということで、そちらへ向かった。このルートに取り付くには、来たときに遡った不行沢をそのまま直進し、チョックストンを越える。と目の前に広大なスラブが見えてくる。これが地蔵岳の下部だ。このスラブはどこからでも登れそうで、まさに初級者には打ってつけのルート。

 助役の「てるさん行ったら?」の一言に二つ返事で取りかかる。
 楽しいスラブで、まるで子供が登るようにてってけ、てってけと登れる。(^^; 「あと10m!」のコールで、丁度ビレイポイントがありピッチを切る。ここでルベルソをアルパインでは初めて使用する。フリーではトップから何度か使用したことがあるが、アルパインでしかもダブルロープで使用するのは初めてなのだ。二人を一度にビレイできるので簡単だが、ロープを引く力が2本分になるので腕が辛い。(=_=;)

 助役達は僕がいるビレイポイントより下のポイントから、再び僕をビレイし僕は再度トップをいく。2P目も同じく簡単なスラブ帯。2P目の終了点には丁度、立木が1本ありこれからビレイの支点を取る。ここまで登るとかなりの高度感が味わえる。

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2P目終了点
後ろに見えるのは登山口付近と
不行岳の岩壁(右奥)


 
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4P目はゴジラの背のようなカンテ
佐野さんが写っている箇所に
遭難碑がある


3P目は佐野さんがトップに立った。
 2番手は僕。左に巻いてからチムニーを直登する。割れ目に体を入れてズリズリ上がっていくのだが、どうも体勢が悪い。少しかぶり気味ということもあって、腕が厳しいのでチムニーから右へ出てボルト上を登ることにした。一件厳しそうに見えるが、体が外へ振れるのでホールドを持つ手が安定する。う〜ん、フリーの技術だぁ〜。(^^)v
 3P目の終了点は小ピークになっていて、普通の登山道のようにトコトコと歩いて4P目の取り付きへ向かう。
 右には地蔵岳の正面の壁が立ちはだかる。途中で抜いていった、おっちゃんクライマーのペアがこのそそり立つ壁を登っている。

 4P目はゴジラの背のようなカンテ沿いを登る。助役がトップを登るが途中にある遭難碑近くまでプロテクションをとるところがなく、ほぼフリーソロ状態。 しかし、こんなところに縦横5〜60cmほどの立派な遭難碑が建てられているなんて驚きだ。

 5P目は最後にアルパイン初めての僕に花を持たせてくれたのか、お二人が譲ってくれた。立木が邪魔するがそれにタイオフをしランニングを取っていく。
 そして地蔵岳山頂に到達!。\(^o^)/ アルパインとして最初に踏んだ記念すべきピークだ。すでに何人かのクライマーが登坂の充実感を味わっている。その中におばちゃんグループがいた。結構年輩の方でちょっと驚き。おっちゃんクライマーのペアも休憩していた。




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地蔵岳山頂で
今日のこの日を記念に一枚
  下降路から見た地蔵岳正面壁


最後の仕事。助役と佐野さんをビレイする。ルベルソでビレイしているとおっちゃんクライマーが珍しそうに、使い方を尋ねてくる。
 お二人を無事ビレイして終了!。今回がアルパイン初ということで嫁さんが心配していたので、携帯から連絡を入れておく。ついでにi-modeで囲炉裏の掲示板にも山頂報告を簡単に入れておく。

 風は冷たいが心地いい。天気は雨雲が近づいていたので、早くピークを踏めて良かった。
 以前来たときは、ここまで立ち寄らなかったので初めて見る風景となる。ちょうど来られたばかりのハイカーらしき人に記念写真を撮ってもらい、その後、装備をはずして下山する。
 下山路は虹の滝へ下降するはっきりとした登山道があり、歩くこと40分ほどで駐車場まで戻った。

 あとは温泉。近くの雪彦温泉による。この日はたまたまラッキーデーで施設無料券を頂いた!。(^^)/ これでまた来る口実ができた。(^^)
 汗を流して疲れを癒した後はビールで乾杯。喉越しから味わう苦みが何とも言えない!。(^Q^) 今日のことを振り返りながら雑談にふける。
 そして高速を飛ばして大阪駅へ。

 今回は助役と佐野さんのサポートで登らせてもらえたというのがピッタリ当てはまるアルパインデビュー戦でした。いくつかの技術、登坂力、そしてそれらを総合した力が必要だと痛感させられた一日でした。
 これも慣れ。数をこなし経験値を増やして一日も早くお二人に肩を並べる日を、そして今度は自分がサポートする人間になりたいです。
 お二人とも本当にありがとうございました。(^^)