落葉の芦生 岩谷を散策
囲炉裏


●場 所:岩谷
●山 域:京都北山(芦生)
●日 時:2004年(H16)11月23日
●天 候:晴れ
●標 高:
●メンバー:しんさん・PIKKUさん・春風さん・てる
●ルート:生杉の駐車場−地蔵峠−長治谷作業所−中山−岩谷−岩谷峠−P818−地蔵峠−生杉の駐車場



このホームページ内に報告している記録を参考にして山に登られる方は
ご自身の判断と責任において行動されるようお願いいたします
報告内容についてはあくまでも参考程度にとどめてください


芦生地図 芦生 岩谷 ルート図
カシミール3Dは上記をクリック 地形図はこちらをクリック 地域の地図は上記をクリック


 地蔵峠から芦生研究林へは入林禁止になっています 

2006年6月現在、地蔵峠からの入林は禁止になっています。
詳しくは「森林ステーション芦生演習林」のホームページをごらんください。




 紅葉の芦生を歩こうと企画したものの、当初の予定日であった10月末の日曜日は雨で中止。都合でこの日まで延期になり紅葉のベストシーズンを逃してしまい、おまけにメンバーもコンパクトになって4人で落葉の芦生を散策することになりました。

 JR茨木駅で待ち合わせ。しんさんの車で生杉入り。国道367号の葛川町から生杉への道へ入ると辺りは霧で覆われて真っ白。そんな中に野生の鹿が道ばたへ現れた。中には車が近づいてもまったく逃げず、ドアの窓を開ければ手が届くところまで近いところを通過したりと、いかに人慣れしているか伺える。
 生杉の駐車場は祝日前夜にもかかわらず誰もおらず、ちょっと心細い。降りてみるとさすがに下界とは違う。寒いとは感じないが、じっとしてると震えがきそう。
 早速、しんさんのテントを張り宴会を始める。しんさん以外はジャケットやダウンを着込んで寒さをしのぐ。翌朝が早いので適当に切り上げて就寝。
【6時15分】生杉駐車場を出発
 5時起床。もちろん外は暗い。テント内で朝食を食べて、出発準備を整える。
 辺りが白々と明けてきた頃に出発。結局、この時点では他に車は見られず。

【6時50分】地蔵峠
【7時09分】長治谷作業所
 地蔵峠で入林届けを出し、枕谷へ下る。枕谷沿いの道は足場が悪くドロドロ。上谷の橋を渡り長治谷作業所へ。この辺りで初めて日が差し始めた。作業所の後ろにあるブナ林の紅葉が朝日に当たり、みごとな色合いを演出している。
 そのテン場では何組かのグループが出発支度を始めていた。

芦生 長治谷作業所のブナの紅葉
長治谷作業所のブナの紅葉


芦生 落葉の芦生 岩谷を散策
中山へ向かう途中は靄がかかっていた 川縁には数少なくなった紅葉が

落葉の芦生 岩谷を散策
イタドリ谷に架かる朽ちかけた橋

冬枯れの由良川
冬枯れの由良川沿い カツラの木の根に水が流れる

【7時19分】中山
 地蔵峠からの林道が合流する中山を過ぎて下谷と由良川の出合へ。ところが話に夢中になりすぎて出合を通過してしまった。しばらくして道が登りになり始めておかしいと気づき沢を見ると反対に向かって流れていたので(当たり前)、慌てて引き返した。1年前に来たときも話し込みすぎて入渓地点を通り過ぎてしまった失敗をまたもややってしまった。学習能力のない奴。(^^;

 出合まで戻ると、先ほどテン場で支度をしていたグループがやってきた。話を聞くと昨日須後から由良川沿いを歩いて長治谷作業所へ着いたそうだ。今日はこれから傘峠を経由して須後に戻るらしい。どう見ても15kg以上の荷物を担いでいる。これで傘峠への道を登るのかと思うと心からご苦労様と言いたくなる。
 その人達と別れて由良川沿いの登山道を歩く。道はしっかりとトレースがあり緩やかなアップダウンを繰り返しながら延びている。

 途中のV字になった細い沢筋を越えたところで、「キャー!」という声で振り返ると、春風さんが斜面を滑り落ちていくではないか!。後ろを歩いていたしんさんが降りて助けようとするが、返って土を落とすことになりそうで、反対側にいた僕がシュリンゲを出してフォローし何とか助け出せた。 道幅が狭く濡れた岩の上にあった落ち葉を踏んでしまったためにズルッといったらしい。ちょっとしたことでも事故に巻き込まれる危険と背中合わせだということを改めて認識させられた。

倒木をまたぐように迂回する 気持ちのいいブナ林その1 気持ちのいいブナ林その2

【8時52分】岩谷出合
 岩谷に到着。そして第一の関門。それは由良川の徒渉。今回試したのはゴミ袋を履いて徒渉するという方法だ。これは矢問さんの発想。僕はさらにつっかけを用意して履き直し徒渉した。僕を筆頭に春風さん、PIKKUさん、そしてしんさんと続いて徒渉を完了。川底の石で小さな穴が空いて、少しだけ靴が濡れたがそれほど影響は受けなかった。川底が浅い場合、この方法で簡単に徒渉できるのがいい。(^^)

 そしていよいよメインの岩谷へ足を踏み入れる。
 岩谷はやはりというか当然というかすでに紅葉は終わり葉が落ちて寒々しい風景だった。静かに流れる沢。倒木につく苔類の緑。寂しげな風景にわずかにあるブナの紅葉。落ち葉の絨毯。そしてカツラやトチノキの大木。一つ一つのパーツは全国どの山にもありそうだが、組み合わさると違う風景になってしまう。芦生の沢は特別だ。癒しの森。そんな言葉がぴったりとあてはまる。

 岩谷に入りしばらく歩くと左手に深い沢筋が合流してくる。後々三国岳からの稜線に乗るために登れるかどうか偵察しに歩いてみたが両岸とも傾斜がきつくかなり厳しそう。沢登りなら登れるかも。
 さらに本谷を先へ進み右手からほぼ直角に沢筋が流れ込む。その先にもカツラの木の横を細く流れる沢筋がある。

露に濡れた落葉が朝日に光る(しんさん撮影) 岩谷出合に到着

裸の大将スタイル(^^; 夜逃げみたい(^^;

春風さんは爽快に PIKKUさんは慎重に しさんは大胆に
















【10時10分】岩谷奥地へ到着
 岩谷は地形図ではわかりにくい左手に深い沢筋が2本見えたところで、正面上部に稜線が見え始める。その辺りから岩谷は右に大きくカーブしさらに3つの沢を分ける。
 ここで荷物を降ろして25分間のフリータイムを取る。
 各自、好きな場所へと足を進ませる。3つの沢の真ん中は細く流れ落ちる4mの滝になっていた。一番右端はさらに奥へと沢は延びているが両岸がそそり立ち、簡単に行けそうもない。一番左と二番目の沢の間には三国岳からの稜線から延びる支尾根が下って来ている。一カ所だけだがテープも見つけたので、この尾根を使って稜線へ登っている人がいるのかもしれない。

 戻ってお昼の準備にかかる。今回は共同装備でお鍋をすることになっている。
 材料はPIKKUさんが買ってきてくれた。お鍋のお出汁は市販の「ラーメンちゃんこ鍋の素みそキムチ」というもの。それにシメジ、エノキ、豚肉、鶏肉、豆腐、にんじん、ネギ、白菜などなどを入れて、最後はラーメンで締めくくりお汁まで飲み干すほど美味しく頂けた。(*^_^*)

静かな森で鍋をつつく 「ラーメンちゃんこ鍋の素みそキムチ」

【12時20分】岩谷奥地を出発
 これからの行程を考えるとあまりゆっくりもしていられないので、お昼過ぎだが行動に移す。
 登ってきたときに見えた左手の2本の沢の間に赤いテープが巻かれてある。途中までこのテープが目印になって岩谷峠へと導いてくれた。

 このルートを選んだのは旧エアリアで点線ながらも示されていたからだ。しかし、岩谷峠までの道はとても点線で示された道とは思えないほど厳しかった。踏み後はほとんどなく、沢登りの詰め上がりのように四つん這いになって木の根を掴みながら登らなければならないほど。
 春風さんは来るときに滑り落ちた経緯があるので、傾斜の厳しいところはしんさんと僕がフォローしサンドイッチで引き上げた。
 詰め上がったところは岩谷峠、まさにそこだった。どんぴしゃり!。(^^)v

かなりの傾斜を薄いトレースを頼りに登る 少し登っては休みの連続 何とか無事に突破!

【13時00分】岩谷峠
 三国岳からの道がこの岩谷峠を経て古屋へ下っている。しかし、尾根伝いに地蔵峠へは相変わらず踏み後さえない。
 1年前、矢問さんとBAKUさんの3人で大谷から歩いたこの尾根。あのときこの尾根の歩き方について難しいと思った。だから、今回も不安が頭をよぎる。 そのために今回は3人より少し先を歩いて、先の見通しを探るように歩いた。

 この尾根の難しいところは、歩く人が少ないのでトレースがない、スギや雑木が狭く茂り展望が得にくい、支尾根が多く迷い込みやすい、一部尾根がなだらかで尾根と認識しにくいなどが挙げられる。それにくわえて、今年の台風の影響で倒木が多く行く手を遮られていたのもマイナス要因だった。
 岩谷峠からいきなり小ピークへの登りになる。この尾根の特徴。それは突き上げる小ピークが連続するということ。これがかなり体力を消耗する。高さこそないもの連続すると足に来る。それに加えてトレースがなく木の枝が散乱したところを歩くことも知らぬ間に体力を消耗しているのかもしれない。

 歩いているとシャクナゲの葉があちこちで見られる。まだ花の咲く時期は半年も先だというのに蕾がある。PIKKUさんがそのシャクナゲもどきがあると教えてくれた。葉はよく似ているが茎の部分が赤いのはシャクナゲではないそうだ。
 尾根沿いには1年前にはなかったタイガースカラーのテーピングが所々見られた。テープを見ると今年の5月頃の記入がある。このテープは岩谷峠から地蔵峠の手前まで巻かれてあり一番目立つ目印だった。

道標がある岩谷峠

スギの落ちた枝が足にまとわりつく この尾根で一番大きかったスギの大木

【14時08分】P818
 この尾根の注意箇所の一つP818付近に近づく。
 まずそのP818にさしかかる。登ったところがP818と思いきや手前のニセピークで、それで思わず間違って真南に延びる尾根へ入ってしまいそうになる。ここが第一の注意点。
 その先すぐにP818があり、ピークにはテープもあり注意していれば北への尾根には入らないが気を付けなければならない第二注意点。
 次にP818を南西へ歩き次に北北西へ延びる尾根に乗らなければならないのだが、そのまま南西へと踏み跡が続いていて、間違って入り込みやすい。僕らは間違ってその支尾根を進み途中で本来歩くべき尾根が見えたのでおかしいことに気づいた。これが第三の注意点。

P818で撮影 まだまだ元気?? 雑木の間から三国峠が見え隠れする

 北西へと尾根は続き第四の注意点、由良川沿いにあるP647の真北に位置するピークに到達する。このピークもテープはたくさん巻かれているが下る尾根が非常にわかりにくい。北北西へ向かって下るのだが、トレースがまったくなく、これが本当に尾根か?と思えるくらい特徴のない尾根で周りのどこを下っても同じように見える。
 前回下ったときはもう少しわかりやすい尾根だと思ったが、さらに雑木が増えたのかまったくわからなかった。半信半疑で下ってみたがどうしても自信がなかったので一度ピークへ戻り、再び僕だけ下ってみることにした。
 結局はこの尾根(北北西)で正解だったのだが50mほど下らないと尾根と認識できない。50mほど下ると目指す方向の遠目にスギの木が3本ほど並んで見える。それが目印だ。

トレースがないなだらかな下り尾根 PIKKUさんと春風さんを探せ! 最後の最後でスリングのお世話に…


 西に林道が近づく頃、北へ緩くカーブするように歩くのだが最後の最後で道をロスト。確か、昨年もこの辺りで北へカーブするルートを探すのに苦労した。尾根の通り進めば南へ下ってしまう。その辺りに例のタイガースカラーのマーキングがされていたが、それを無視して西へ進んだので迷ってしまった。
 ここまで来れば北か西へ進路を取れば林道へ下るのだが、ウロウロしていると鞍部らしいところに出た。その少し上へ登ったところで100mほど先に地蔵峠のポストが見えたので安心し、昨年同様、北へ藪こぎをして最後は林道へ出た。

 しかし、出たところは林道から高さ8mほどの位置で木の枝を持ってでないととても降りれたもんじゃない所に出てしまった。僕やしんさんならそれで何とかなるが女性二人はとてもじゃないが無理と判断し、スリングを連結してある程度の長さを確保し二人を降ろした。しんがりを勤めたしんさんは危なげなく降りてきた。さすが。 たまたまその場面に遭遇したご年配のご夫婦が僕らを見て驚いていた。(^^;
 長く不安と隣り合わせの行程が終わってホッとした瞬間だった。(^^;

迷った尾根を見上げると夕日が当たっていた 百里ヶ岳からの尾根がオレンジ色に染まっていた

【16時15分】地蔵峠
 ゲートを通り先ほどポストが見えた沢沿いの先を見やるとこの沢沿いを下って降りることもできたなぁと思った。次に来ることがあればぜひ。(^^)
 林道を下ると迷った尾根のピークが夕日に照らされてよくわかる。「あそこで迷ったんやで」と言うとみな感慨深げに眺めていた。
 道なりの方角、北東を見ると百里ヶ岳からの尾根に夕日が当たり一日の終わりを告げようとしている。道はもう暗くなってきている。
 今日一日の出来事を話しながら歩いていると生杉の駐車場へ着いた。16時50分。無事を感謝してみんなとがっちり握手。

 このあと、朽木温泉「てんくう」で汗を流して帰路につきました。
 岩谷は期待を裏切らない芦生らしさを提供してくれる癒しの谷です。三国岳から地蔵峠への尾根はやはり難しいの一言。しかし、ここにも人が入り始めているのは事実で、いずれはトレースもついてくるでしょう。
 芦生は何度来ても癒してくれます。いつもいつも駆け足で抜けていくばかりですが、もっとゆっくりと時間が流れるままにじっと風景を眺めていたいというのが願望です。しかし、そうできるのはいつの事やら。(^^;