伯耆大山 剣ヶ峰からラクダの背を通って弥山へ縦走

●エリア:鳥取県
●日 時:2007年(H19)8月19日
●天 候:曇りのち晴れ
●メンバー:矢問さん、てる
●コース:
下山駐車場4:47
大神山神社5:15
下宝珠越5:48
中宝珠越6:19
上宝珠越7:00
ユートピア避難小屋7:33
天狗ヶ峰7:55
剣ヶ峰8:30−9:35
弥山10:12−10:32
六合目避難小屋11:33
阿弥陀堂12:23
下山駐車場12:32




このホームページ内に報告している記録を参考にして山に登られる方は
ご自身の判断と責任において行動されるようお願いいたします
報告内容についてはあくまでも参考程度にとどめてください







 大山は眺める山でした。振り返ること数十年。親父の田舎が出雲で法事の度に米子を通るのですが、その都度見える大山は素晴らしく、いつかは登りたいと思っていました。しかし、なかなか機会に恵まれず、今日のこの日まで待つことになりました。
 大阪からだと片道230km。時間にして4時間ほど。僕の山登りリストとしてはかなり遠い部類に入ります。それだけに残されていた山でした。

 今回、ご一緒した矢問さんとは過去、毎年数回、山を共にしていたのですが、ここ数年はたまたま同行する機会に恵まれず、3年ぶりの山行です。
 お互いそれぞれ、いろいろ事情があって、今年はアルプス山行はできず腐っていましたが(^^;、たまたま別の山を一緒に行く予定をしていたのを、矢問さんの提案で大山に変更したのでした。


登山届けを出す矢問さん


【下山駐車場】4:47
 大阪を出たのは前夜19時半頃。矢問さんと合流し一路、大山の麓へ。
 現地駐車場に着いたのは午前1時前。下山駐車場という夏山登山道登山口に近い場所にある駐車場だった。
 すでに7割程度埋まっている。約800mの標高なのでやはり涼しい。
 この夜は早々に就寝。
 午前4時。アラームで目覚める。矢問さんは走行する車の音が気になって、なかなか寝付けなかったそうだ。こっちは爆睡。(^^;
 起きた瞬間、蒸しっとする湿気を感じた。雨が降る前のような湿気だ。予報では午後から曇りになるとわかっていたが、早まるのかなぁ?。不安。
 お腹にサンドイッチを詰め込み、支度を調えて出発。まだ外は暗い。この時間にも女性が一人、男性が一人、出発の段取りをしていた。


コンクリート道が横切る


  まずは大神山神社を目指す。今回はユートピアルートから尾根沿いを歩き弥山から夏山登山道を下る予定。
 途中の南光河原駐車場口で登山届けを提出。宿舎街を抜けて大山寺・大神山神社奥宮へと向かう。
 大神山神社奥宮からは右奧の登山道道標に元谷方面へと歩く。これにはユートピアルートとは載っていないので、少し戸惑う。
 ここからは一気に登山道らしい雰囲気に変わる。まだ薄暗いので単独ならちょっと怖そう。(^^;
 登山道をしばらく歩くとユートピアルートとの分岐にさしかかる。
 少し登ったところで、コンクリート道が横切った。え?ここに道?と驚いたが、堰堤工事用の道路なのか神社の関係する道路なのか、そのための道路のようだった。


朝日がブナに写る


 再び、登山道を歩き少しずつ高度を稼いでいく。
 尾根近くになってやっと日が差してきた。この時点では心配された雲はなく晴れていたが、この後、尾根はガスに隠れてしまう。
 立派なブナが多く、日が当たる部分だけ紅葉しているように赤く写り清々しい気持ちになる。
 まだ、歩き始めて1時間ちょっとなのに、すでに汗が噴き出してシャツはベタベタ。タオルも汗を吸ってボタボタ。何せタオルは絞れるくらいの汗の量!。
 僕自身は3ヶ月ぶりの山行と、この暑さが加わって早くもバテ気味。今日は暑さも考えてスポーツドリンクとお茶を合計で2.5Lも持ってきたが、喉の渇きは異常で、結局、下山までに飲み干してしまった。
 尾根に出ると少しは風も吹いていたが、たいていは無風で蒸し暑いまま。出る言葉は「暑いぃ〜 暑いぃ〜」。過酷な登りは続く。(/_;)

 途中でこの先の危険を示す看板があり、そこから足下が脆い崩落箇所が現れる。通過にはそれほど気を遣わないけれど、落ちたらやばそう。
 大山の山並みが見渡せる展望台地があり、そこに立ったときはすでに尾根沿いはガスで覆われていた。午後に向けて天気が悪くなるのに、今からこの調子だと天気が回復しないのかなぁ?。そう思うとさらに足取りも重くなる。(+_+)


登るつもりだった三鈷峰


 


 
ユートピア避難小屋が見える鞍部 先行きを不安にさせる尾根沿いのガス

 
【ユートピア避難小屋】7:33
 かなり早い段階からユートピア避難小屋が見えているのだが、なかなか近づいてくれない。今回歩いた中で、中宝珠越からこのユートピア避難小屋までの間が、精神的、体力的にも一番辛かった。
 そんな辛さから解放されたのは主尾根に乗ってから。その場所には三鈷峰とユートピア小屋への道標があり、三鈷峰が間近に見える。もちろん、ユートピア避難小屋も。
 本来は三鈷峰もピークを踏む予定だったが、すでにバテバテの僕は矢問さんの問いかけに即、却下。(^^;
 少し休憩の後、まずユートピア避難小屋へ向かう。室内はとても整備されていて綺麗だった。




ユートピア避難小屋へ向かって登る


立派なユートピア避難小屋


コオリユリはたくさん見られた


象の鼻付近の登山道


天狗ヶ峰とかかれた石


【天狗ヶ峰】7:55
 主尾根に上がるまでにも高山植物のノリウツギ、シモツケソウ、コオリユリなどが所々見られる。しかし、立ち止まって観察する余裕はない。(^^;
 この主尾根にも高山植物はたくさん咲いている。もう一度来ることがあれば今度はじっくりと見ながら歩きたい…。

 相変わらずガスは取れず、大気中を浮遊するように歩く。
 道はかなり細くなってきているが、高度感がつかめないので怖さは感じない。だから、スタコラサッサと歩けているが、晴れていればこう簡単に歩けているかどうかは疑問。

 そうこうしているうちに天狗ヶ峰とかかれた石のある場所に到着。地形図ではここまで登山道のしるしがしてあるが、ここから先はない。登山道としては認知していないと言うことか。
 しかし、踏み跡は今まで通りしっかりと付いている。
 途中で灌木帯を通ることもあるのだが、これが曲者で、枝木に足を取られてバランスを崩すことがあった。ここで転けたらヤバイ。慎重に歩く。


左へ落ちたら谷底へ… こんな箇所は随所にあった


【剣ヶ峰】8:30−9:35
 大きな台座が見えたところが剣ヶ峰。ここが本当の大山最高点。1,731mと刻まれているが、平成12年の鳥取県西部地震の影響で1,729mと低くなったそうだ。 現在ではこの場所へたどり着くのが困難になっているため、弥山が大山の最高穂としているそう。

 矢問さんは予定通りの時間に着いたこともあって、満足そう。(^^)
 時間もあるので持ってきたハンディタイプの無線機を取り出して交信し始めた。 僕は無線のことは全くの無知なので、隣で聞いていた。
 知り合いの山仲間に問いかけるが時間が早いためか応答なし。
 そのあと、四国のさぬき市、石川県の白山、そして山口県ととんでもなく遠い人と交信している。山が高く、途中に遮る物がないのでそこまで電波が飛ぶらしい。
 知らない人と現況を語り合っている矢問さんは楽しそうだった。(^^)
 聞いている間、風も出てきて温度も下がり、一気に寒くなる。持ってきた長袖を着る。矢問さんは温泉セットに長袖を入れてきてしまったようで半袖のまま。


無線で交信する矢問さん


ガスが取れ始めて歩いてきた稜線が見えだした


日本海も見えだした


弥山側もガスが取れ始めた




天狗ヶ峰には人が立っている姿が見えた


吸い込まれて落ちていきそうな南斜面


 そうこうしているうちに、ガスが少しずつ取れて晴れ間が見えだした。「晴れろ〜!」と叫び念力でガスを飛ばす。(^^;
 突然現れた展望は素晴らしいものだった。自分の足で辛いながらも登ってきた実感はあるが、辺りが見えなかったので高度感はまったくなく、どんな場所を歩いているのか理解できずにいたところへ、いきなり標高1,700mの展望が映し出されたものだから、その感動は普通じゃなかった。
 天狗ヶ峰には登山者が一人立っている。その人に向かって流れ込むかのように谷底から湧き上がるガス。山のスケールとともに人間がひどくちっぽけに見えた。自然ってすごい!。そして怖い。
 目線の位置に、綿のような厚みのある白い雲(層積雲?)が見れたのも感動だった。振り返ると歩いてきた道も良く見える。尾根がうねりナイフリッジの様相がよくわかる。へぇ、こんなところを歩いてきたのかと感心しきり。(^^;
 目指す弥山もはっきりと見える。山頂には人の姿もたくさん見えた。しかし、山肌は爪でひっかいたように鋭くえぐられて、崩落の姿が浮き彫りになっている。

 気持ちが高ぶってきたところで、弥山へ向けて出発することにした。
 矢問さんは僕に「遅いからって先に行くなんてあかんでぇ」と何度も念を押している。そんなんしませんって。(^^; 矢問さんには悪いが、僕はもうワクワクしっぱなしで、次にどんな場面に遭遇できるのか楽しみで仕方がない。
 そしていよいよメインイベント。ラクダの背に来た。まさにラクダの背。小ピークがうねる細い尾根に細い道。しかもどのピークも結構な傾斜でおまけにザレていて、滑り落ちたら止まらないだろう。
 右に落ちれば地獄、左は極楽。どちらかといえば極楽の方がいいが、まだこの世にやり残していることがいっぱいあるので、慎重に真ん中を選んで歩く。(^^;
 ロープがあったが、「ないよりはまし」程度のもので、ロープの末端は石にくくりつけて重しに載せているだけのよう。引っ張ったら簡単に抜けるかも。 とても体重を預けることはできない。バランス取りと割り切る。


 


姿を見せた大山の本丸(弥山)






ラクダの背の最難関地点(ロープはあてになりません)


ラクダの背を下る矢問さん(上画像の先から振り返った場所です)



弥山の南斜面






「縦走危険」の看板が縦走の厳しさを示している


弥山は小学生の団体さんでいっぱい


【弥山】10:12−10:32
 ラクダの背を越えたあとも、細尾根の崩壊地は続き、慎重に歩く。
 弥山の山頂が近づくと尾根も安定し安心感が生まれる。
 山頂の手前には三角点があった 
 男性がいて、剣ヶ峰へ行くつもりなのか、矢問さんに歩いてきた尾根の状況を聞いていた。
 張られたロープには「この先危険」とかかれた看板があった。確かに、誰もが歩けるルートではない。
 やっと安全地帯にたどり着いたことで、矢問さんとガッチリ握手。

 山頂の展望台には小学生の団体が所狭しと座っている。
 僕らもここで休憩を取る。人の声が何か心地いい。




夏山登山道からは続々と人が上がってくる


歩いてきた尾根を見る




歩いてきたルート




阿弥陀堂から駐車場へ


【下山駐車場】12:32
 晴れてくれたのはありがたかったが、そうなるとまた暑さに困った。あとは下りだけなので残りの水も心細いながら何とか保たせることができたが、それも調整してのこと。
 六合目避難小屋までは歩いてきたルートが見渡せる展望を眺めながらの下山だったが、それ以後は木々に囲まれて黙々と歩くだけ。
 僕は次第に足下がおぼつかなくなり、目に見えて歩くスピードが落ちてきた。またもや3ヶ月のブランクが顔を出してきたようだ。(+_+)
 昔に六甲全山縦走で膝を痛めた経験があるので、この段差の高い下りは要注意。それも考えてゆっくりと下る。
 先を歩いていた矢問さんとは阿弥陀堂近くでやっと合流。ずいぶん待っていただいたみたい。m(__)m
 それから先は下山駐車場まで一緒に歩く。
 下山駐車場はほぼ満車。大型バスも待機している。さきほどの小学生の団体用かな?。







米子道から見えた大山

 さぁあとは汗を流すべく温泉へ。
 今回は淀江ICに近い淀江ゆめ温泉をチョイス。大山から比較的近い場所にあり、帰りの高速の利用もしやすくグー。
 車を走らせている時に大山を振り返るとすでに山の裾野まで雲に覆われていた。この日、晴れた時間は短かったけど、その短い時間帯に一番いい場所で大山を歩けた事への嬉しさを噛みしめた。