チブリ尾根から別山 そして白山へ
●山 域:白山
●日 時:2005年(H17)8月16〜17日
●天 候:16日(曇り)・17日(雨のち曇り)
●コース:16日市ノ瀬−チブリ尾根避難小屋−別山−油阪の頭−南竜山荘
17日南竜山荘−室堂センター−御前峰−室堂センター−黒ボコ岩−殿ヶ池避難小屋−別当坂分岐−別当
●メンバー:単独
このホームページ内に報告している記録を参考にして山に登られる方は
ご自身の判断と責任において行動されるようお願いいたします
報告内容についてはあくまでも参考程度にとどめてください
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お盆に予定していた家族でのキャンプが出発寸前で行けなくなってしまった。空いた日をそのままゴロゴロと家で過ごす発想など片隅にもなく(^^;、そこで思いついたのが白山。本当に思いつき。
※画像にカーソルを置くと説明文が表示されます
今年の天気は北陸と東北を中心に大雨の日が多く、天気はぐずつき気味。お盆も例外ではなく雨が続いていた。後半は少し持ち直すような予報だったのでその日を充てた。
嫁さんと子供を嫁さんの実家に預けて出発。
名神を東へ走らせると電光掲示標識には「米原19km渋滞」の文字。思案した結果、京都東ICから無料になったばかりの湖西道路を利用して敦賀まで地道を走り、そこから再び高速に乗り福井北ICで降りることにした。時間は多少延びるが高速料金はETCの通勤割引の適用などで、米原周りと比べると半額近くで行けた。(^^)v
しかし、志賀町のあたりから雨脚がきつくなりマキノ付近ではバケツをひっくり返したような大雨+雷に遭い、先行き不安になる。
予感は的中。白山の麓、白峰から先はこの大雨のためゲートが閉じられて通行止めになっていた。 ちょうど、そのゲートの前に車が一台止まっていたので話しかけてみた。親子で来られているようだ。どうしたものかと悩んでいるようだったが、らちがあかないので荒島岳へ行きますと言って去っていった。
僕はキャンプ場の駐車場に車を止めて仮眠。空を見ると星が見えている。しかし、キャンプ場の横を流れる手取川からは、道路にあふれ出るかのようなすさまじい濁流の音が聞こえてくる。果たしてゲートは開くのか?。不安なまま眠りについた。
翌朝3時過ぎに目が覚めた。道路を見るとすでにゲート前には開くのを待つ車の列が成っている。慌ててすぐに並ぶ。
待つこと3時間。すっかり明るくなった6時前にゲートが開いた。どうやら道は大丈夫のようだ。車を走らせること20分。市ノ瀬の駐車場に到着。意外に空いていて簡単に駐めることができた。
隣にもすぐに車が止まり、親子が降りてきた。小学生くらいの女の子を連れている。「無理矢理連れてきました」とお父さん。でも子供はまんざらでもなさそう。
【6時10分】市ノ瀬を出発
別当出合行きの一番バスが出発する。それに並ぶ人がほとんど。僕は別山・市ノ瀬道を登るのに登山口を探す。よくわからなかったのでバスの案内係の人に聞くが、どの人もよく知らないみたいだ。
バス道を少し歩くと右手に地道の分岐があり、そこに道標があった。別山・市ノ瀬道の文字。これだ。(^^)
猿壁登山口までは工事車両も入る砂利道を歩く。沿道には工事車両の注意書き看板があり、その写真には工事にはまったく関係のない写真が飾られていた(右画像参照)。このアンバランスさが面白くて写真を撮った。(^^;
【6時30分】猿壁登山口
橋を渡りしばらく歩くと大きな堰堤の端に出た。そこが猿壁登山口。やっとここから登山道らしい道になる。
チブリ尾根はブナ林で有名だと知っていたが、歩いてみると目立つのはブナよりトチノキやカツラの大木。特にトチノキの大木が印象的だった。
いくつもの小さな沢筋が登山道を横切り細谷川へ流れている。曇りであってしかも木々に遮られて日が当たらないのはいいが、風がないので湿度が高く汗がどっと噴き出る。
途中で大岩の下から水が流れているのを発見。飲んでみると沢の水より泥臭さが無くてしかも冷たく美味しい。あとで知った話、この水のありかを知っている人は少ないそうだ。ラッキー!。(^^)v
道はしだいに尾根の上に向かってジグザグに駆け上がり次第にブナも多くなる。しかし、辺りはガスがかかり薄暗く、尾根に乗っても見通しは良くなく、心の中の見通しも暗くなる。
P1424辺りまで来るとダケカンバも見えだして高山だという気分がしてくる。しかし、相変わらず辺りはガスに巻かれたまま。
さすがにここまで来ると沿道には高山植物があちこちで見られるようになる。鈴なりに咲く薄紫のソバナ、花柱が珍しいハクサンシャジン、オオバギボウシなどなど関西の低山ではお目にかかれない花ばかり次々に現れる。
もうすぐチブリ尾根避難小屋というところで、急に目の前のガスが取れて御舎利山と別山らしき尾根が見えた。思わず「おぉ!」と声を上げてしまった。ずっとガスで真っ白だったところに急に現れたものだから感動してしまった。
しかし、見えたのは一瞬でまたガスで覆い隠されてしまった。それ以後はまったく姿は見えず。まさに一瞬の出来事だった。
【9時08分−19分】チブリ尾根避難小屋
チブリ尾根避難小屋に到着。旧の小屋はすでになく、新しい小屋が完成を待っていた。近くには工事の人のためにプレハブ小屋もある。まだ建築途中なので利用はできず、置いてある建材の上に腰掛けて休憩。
しばらく休んでいると下から2人の男性が到着。入れ違いに僕は出発する。
チブリ尾根は距離が長いうえに、別山から白山へ続く尾根に乗る最後の登りが非常に厳しいので堪える。見上げるような御舎利山への尾根に思わず「これ登るのぉ〜?」とこぼしてしまうほど。ジグザグに駆け上がる道を息を整えながらゆっくりと登る。
途中で小さな沢に出合う。ここで一息。すると先ほどチブリ尾根避難小屋で追いついた男性二人がやってきた。同じく、ここで休憩する。自然と会話になり、地元の方らしく白山はもう何十回と登ったという話や、人の多い白山よりもこちらの別山の方が静かでいいという話を聞いた。
歩くのを再開してもペースは上がらず、足を引きずるようにしてやっと御舎利山に到着。しかし、どこを見ても真っ白け。
まず、別山へ向けて歩き出す。道標がしっかりしているので周りが見えなくても地図をみるほどではない。それでも地図とコンパスで確かめないと気が済まないので一応見ておく。
【10時56分−11時16分】別山
別山に到着。
先ほどのおじさん二人はすでにシートを広げて早めのお昼に入ろうとしている。「お疲れ!」と声をかけてもらった。「カメラ撮ったろか?」と矢継ぎ早に言葉がかかる。 お二人はビールで乾杯。こっちはまだお昼には早いし展望はないしで、することもなく次の目的地、南竜山荘へと向かうことにした。
ガスがなければ爽快な尾根歩きなんだろうけど、100m先がやっと見えるかどうかの中では楽しむのは高山植物だけ。それも展望が見えない気持ちがふてくされて、あまり見る気になれない。黙々と歩き続ける。(^^;
エアリアで「危」と表示されている所は、確かに登山道近くまで浸食されて崖になっていて、一歩間違えば谷底へ…というシチュエーションだが、気をつけて歩いていれば特に問題のある場所ではなく、逆に崖なので谷底まで見え、そこに雪渓があるのが珍しかったりして立ち止まって撮影していたりした。
油坂の頭と呼ばれるところから下りになり、そのときにスーッとガスが取れて南竜ヶ馬場の一帯が見渡せた。その風景がとても素晴らしくてカメラを取り出した瞬間にはもうガスがかかってしまった。
その風景が忘れられず、今度ガスが取れたら撮ってやろうと30分も粘ったが、結局同じ風景には巡り会えなかった。残念。(/_;)
そのときに見えた南竜山荘は比較的近くに見えたので「あともうすぐ」と思えたのもつかの間。歩いても歩いても近づかない。それどころか南竜山荘のある南竜ヶ馬場へは一度山うば谷を下って登り返さなければならない。疲れがピークに近づいているところへこの登り返しはきつい!。
山うば谷へ流れ込む支流が空から落ちるような角度で水を落としている。そんな風景を見ながら急な下り道を歩く。
登り返した所にはまるで楽園のような風景が待っていた。南竜湿原だ。大昔に白山が噴火したときに流れた溶岩流がこのような平らな大地を形成したとのこと。今回の山行の中で唯一、「遠く」を見渡せた瞬間だった。
【14時11分】南竜山荘到着
南竜山荘に到着。手続きを済ませて部屋へ連れて行ってもらう。部屋では一番手の到着のよう。一番端っこをゲット。(^^)v 着替えをして、備え付けの公衆電話から嫁さんへ電話をし、仮眠を取る。起きてみればすべてベットが人で埋まっていた。
5時に夕食。食べ終わって外を眺めていたがガスが立ちこめてきたので、ベットに寝っ転がっていたら眠くなってきたので寝た。何度か起きたがそのまま3時頃まで寝る。
3時に起きてみると雨音がする。慌てて外へ出てみるとシトシトと雨が降っている。あわよくば雲が切れて山頂でご来光を… と思っていた目算はもろくも崩れ、雨がやむまで寝ようと再び寝床へ。この軟弱さが自分でも好き。(^^;
5時に起床。雨もやんでいてすぐに出発の支度に入る。同部屋の人もかなり動き出した。
【5時20分】南竜山荘出発
雨具を着込んで出発。展望歩道ルートを選んで歩く。外は一面ガスの海。
山うば谷沿いは木道になっていて歩きやすいが、途中からはぬかるんだ土になり、尾根に乗るとシラビソが茂る。
【6時11分】アルプス展望台
アルプス展望台は晴れていればここから北アの山々が見渡せるはずなのだが、真っ白け。一瞬だけガスが取れかけて、かなり遠方まで見えた。三方崩山か?。
それまでの急坂がなだらかになる頃、ハイマツが一面に広がるエリアに出る。右からは大白川ダムからのルート、平瀬道が合流する。
【6時53分−7時05分】室堂センター
室堂センターに到着。荷物を下ろして椅子に腰掛け休憩。目の前にある郵便局で子供宛にはがきを送る。「おおきくなったら一緒に登りに来ようね」と書いておいた。実現するだろうか…。
室堂センターを出ていよいよ白山最高穂、御前峰へと向かう。ガスっていてまったくどこをどう登っていいのかわからなかったが、人の流れを見て、鳥居をくぐり社務所のような建物の横から登ることがわかった。
【7時38分】白山山頂(御前峰)到着
整備された登山道を登り30分あまり。ゴツゴツした大岩が重なる山頂に到着。御前峰だ。しかし、やっぱりガスは取れず展望は無し。
次々に登ってくる登山者で山頂は大賑わい。こんな天気でも良く登ってくるもんだと感心しているが、自分はその一人とは思っていない。(^^;
南竜山荘で作ってもらったお弁当をひろげる。ここまできてやっと朝食だ。もちろん冷たいお弁当だが、これが何故か美味しい。山に登ると何でも美味しく感じると言うが今回は特別だった。標高が高いと美味しく感じやすいのか?。(^^;
【8時17分】御前峰を出発
食べ終わっても晴れる様子もなく、仕方なくあきらめて下山する。「また来る」そう言い残して。
【9時02分】黒ボコ岩
室堂センターを通り過ぎ、とりあえず五葉坂を黒ボコ岩まで下る。黒ボコ岩からは砂防新道を下るか観光新道を下るか、ちょっと思案した結果、少しでも展望が見えたら…という期待を持って観光新道を下ることにした。
あまり人は歩かれていないようで、それまでの道とは人のすれ違いも激減した。
相変わらずガスは取れず、でも砂防新道の谷沿いは見渡せる。
せめて最後に別山くらい見れたら… と期待を持ちながら歩いたが結局、すっきりと見えることはなかった。
【9時37分−54分】殿ヶ池避難小屋
殿ヶ池避難小屋に到着。先着していた同世代の男性グループ2人と、後から到着したご年配のご夫婦の5人で休憩。このご夫婦と少しだけ話をしたが、僕が昨日、チブリ尾根を歩いて来たと言ったら「若い人は元気だね。僕らはのんびりと歩くよ。」と笑っていた。自分のペースが速いとは思わないが、このご夫婦くらいになったら、もっと何事にもゆとりを持って歩けるようになるだろう。
この辺りになると登ってくる人が増えてくる。あとでわかったことだが別当出合から観光新道の尾根に乗るまではかなりの急坂で、それを登ってからこの尾根なので、すれ違いの「こんにちは」の挨拶さえ声が出ない人が多かった
【10時40分】別当坂分岐
その別当坂分岐から別当出合まで岩がガラガラの歩きにくい急坂を一気に下っていく。途中で抜いたおばさんは、手提げ鞄を片手で肩からさげて、まるで室堂へ買い物でも行って帰るかのような格好でぎこちなく下っていた。このおばさんは一体?。
急に整備された小さな広場に出た。やったぁ!別当出合に着いた!と思ったのもつかの間。意味不明な広場で別当出合は1km先。(~_~;)
近くにダンプカーが走る音が聞こえていたが、トンネルがあるのか道路の交差はなし。
【11時29分】別当出合到着
やっとのことで別当出合に到着。数年前土石流で流れたという橋の代わりに、立派に架け替えられた橋があった。バス停へ近づくとすぐにバスが発車するという。ゆっくりと落ち着きたいのもつかの間、慌ててバスに乗り込む。
すぐに発車したバスはときどき工事のダンプカーやミキサー車とすれ違いながら市ノ瀬バス停に到着。
来たときとは違い、駐車場には車はほとんどなくなっていた。
お腹が空いていたが先に温泉に入ってさっぱりしたかったので、車を走らせ白峰温泉へ向かう。白峰温泉総湯と書かれた建物の前に車を止めて入ろうとするが、営業時間が午後2時から!。仕方がないので目の前に書いてあった観光協会へ電話して入れそうな温泉を聞いてみる。すると天望の湯が開いていますよという返事。早速そちらへ向かってみる。
ここの湯は純重曹泉と呼ばれ、温泉にはいると肌がぬめぬめするが、あがるとスベスベになり「絹肌の湯」と言われているのが実感できる。
昼食は近くの「みのすけ」でうどん定食を注文。小鉢に盛られたイワナとじゃがいもの甘露煮が絶品でこれは美味い!と土産物にしたのは言うまでもない。(*^_^*)
しばらく休憩した後、車に乗ろうとしたら急に大雨。今まで雨に遭わなかっただけでも良しとするかと自分に言い聞かせて、白山を後にしました。