蛇穴を出づ台高の春 桧塚の巻
●場 所:桧塚
●山 域:台高
●日 時:2001年(H13)4月22日
●天 候:曇りのち晴れ
●標 高:桧塚1,402m
●地形図:(1/25,000)大豆生
●メンバー:亀さん、てる【8時50分】麦谷林道登山口
【9時05分】二階岳
【9時40分】木ノ実ヤ辻
【10時03分】薊岳
【10時53分】前山
【11時45分】桧塚奥峰
【12時00分】桧塚
【12時45分】桧塚出発
【13時25分】明神岳
【13時45分】前山
【14時35分】薊岳
【15時15分】木ノ実ヤ辻
【15時47分】二階岳
【15時55分】登山口
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二階岳までの道のり バイケイソウの群生
昨夜まで降っていた雨も上がり、家を出る頃は上空に青空が見え、高々度を飛行機が2機ほぼ平行に西へと飛んでいるのが見えた。
明神平のエリアは私らにとっては鬼門中の鬼門で今まで吹雪・吹雪・雨と3回連続して悪天候に見舞われ、まともに展望など見たことなどなかった。しかし、今回はやっと恵まれた。(ToT)
自宅を5時半過ぎに出る。友人の亀さん家に寄る前に、最近凝っている?城東貨物線の撮影に寄ってみる。6時前に1本貨物列車が通るのだ。全国でも珍しい鉄橋に線路と歩道橋が一体になった赤川鉄橋で撮影。ここは平成18年完成予定の大阪外環状線に生まれ変わるべく現在工事が進み、いづれここも歩道橋がなくなる予定なのでこのショットも貴重な画像になるだろう。
亀さん家に寄って一路吉野へ。今日は亀さんの車を出してもらう。
先週通った道と同じコースで吉野入り。169号線と別れて県道に入り大豆生から麦谷林道を駆け上がり尾根筋に出たところで車を停めた。
外に出ると寒い!。気温は2度。このあたりはまだガスがたちこめているが天気になるだろう。
【8時50分】麦谷林道出発
支度を始めて出発。二階岳・木ノ実ヤ辻と順調に歩く。新緑にはまだ早く新芽が付きはじめたばかりのよう。目立って見えるのがバイケイソウ。青々とした葉が一面に広がり、他に何もない殺風景な風景にひとつのアクセントを付けてくれている。
時間が経つにつれて視界が開け台高の稜線がはっきりと見えだした。これから向かう明神岳のこぶも見える。
木ノ実ヤ辻を越えた辺りから太股が張ってきた。まだ歩き始めて1時間ほどなのになんで?。体調不良と寝不足のダブルパンチが効いたか。このあともずっと悩まされる羽目に。(=_=;)
薊岳から明神岳への稜線
【10時03分】薊岳
薊岳到着。展望のいいピークには寄らず少し休憩したあとすぐに出発。ここから前山までは初めて歩く道。歩き出してすぐに左手の谷底から石ヶ平谷からの詰め上げにテープが巻いてある。亀さん曰くこの谷もそれほどレベルが高くないとのことなので近いうちに遡行しようと話した。
細い稜線の上を細かいアップダウンを繰り返しながら進んでいく。左手には伊勢辻山をはじめとする稜線が、右手には台高山脈、そしてその延長上にはドンと広がった大台ヶ原が見渡せる。
しかし、稜線に乗った途端に北からの強風がまともに体をたたきはじめた。さすがの半袖倶楽部会員の私も腕がしびれてくるほど冷たくなってきた。慌てて上着を着込む。
順調に歩いていると亀さんが突然「おぉ!」と叫ぶ。足下から蛇がシュルシュルと逃げていく。蛇も冬眠から覚めて活動しだしたんだな。
【10時53分】明神岳
前山に到着すると目の前にはなだらかな傾斜が広がる明神平があった。明神平ってこんなに広いんだ!としみじみ眺める。何度も書くがお天気の時に来たことがなかったので、これだけスッキリと見たのははじめて。奥には水無山、国見山もはっきりと見える。そして東側にはこれから目指す桧塚奥峰のこんもりとしたピークも。
明神平では早くもお昼をとっているグループを見かけた。この下なら風もそうきつくないので、この風景を見ながらゆっくりと昼食をたべれそう。私たちは明神平を巻くように明神岳へと向かう。
なだらかな傾斜が広がる明神平 ブナの原生林が広がる
明神岳への稜線の右側は深い谷底になっている。その向こうを見ると今し方歩いてきた二階岳や木ノ実ヤ辻のピークが見える。台高縦走路はしっかりしており、将来は縦走してみたい。
明神岳に到着。以前あった山頂プレートはなく、どこがピークなのかわからない。ピークらしきところを過ぎると、東の方角へなだらかに下る一本道があった。桧塚奥峰のピークへ向かって木と木の間に1mほどの幅で真っ直ぐに伸びる道だ。
粘土質の斜面と落ち葉が合わさると、ズルズルとよく滑ること。何度となく足を取られてズドン!と転ぶ。(^^; 何度目かに転んだときカメラをかばおうとして半ひねりで着地?したら太股の付け根がおかしくなった。あとはだましだまし歩く。
桧塚への道はテープが巻かれているので、ガスにまかれない限り迷うことはないが、台地になっているのでガスると怖いと思う。
1,394mのピークを越えて左折すると再び桧塚奥峰が見えてくる。明神岳から見えた奥峰よりかなり近づいた。
【11時45分】桧塚奥峰
そしてなだらかな道を登り切ると桧塚奥峰。木々で覆われてはいるが明神岳ほどではない。展望もそこそこ。尾根の先には最終目的地の桧塚が見える。ここからだとそう遠くない。しかし、ここでアクシデント発生。だましだましやってきた筋肉痛が酷くなってきた。つってきたのだ。この程度の距離で何で?と思うが現実は痛くて仕方がない。屈伸運動を繰り返し何とかほぐす。亀さんも無理ならここで引き返してもと言ってくれるが、目の前に目的地があるのに引き返すわけにはいかない。何とか我慢して桧塚へ進んだ。でも、これが正解だった。このあと素晴らしい展望に出会うことになる。
道は桧塚への尾根筋を歩くのだが、低い笹原となり一気に展望が良くなる。ちょうど大台ヶ原の正木が原のようにトウヒや立ち枯れの木が風景にアクセントを加えてくれている。
先の桧塚より中腹にある岩場付近の方が展望は良くて、ぐるりと300度ぐらいの好展望が望める。遠く西から金剛山脈、竜門岳、目の前には高見山(しかし、ここからはあの美しい三角峰は拝めない)、その奥には曽爾の山々、住み塚山、倶留尊山、大洞山、東に目をやれば迷岳、その右には雄大なスケールを誇る台高山脈、その右には大峰山系、中でも峻険な山岳として知られる大普賢岳、なだらかな台形地の弥山などは遠くからでもはっきりとわかる。
これだけの素晴らしい山々が見渡せる場所もそうないはず。いっぺんにここの虜になってしまった。ただ、残念なことに今は一番色合いのない時期。できるなら新緑が綺麗な5月や紅葉の11月にもう一度訪れたい。
明神平から登ると手前に桧塚奥峰がありその奥に桧塚となるが、これは三重県側から命名したためらしい。
明神岳から桧塚への
まっすぐな下り桧塚奥峰へあと少し
【12時00分】桧塚
桧塚はひっそりと佇んでいた。奥峰から桧塚までこれだけ展望がいいのにもかかわらず誰一人として会わなかった。明神平まで行く人はいてもここまで足をのばす人は少ないのかもしれない。
桧塚はそれほど特徴のある場所ではなく、とりあえずピークを踏んで先ほどの展望のいい岩場へと移動した。しかし、今日は風が強い。まるで台風並。風の音は海岸に打ち付ける波の音のように木々を揺らし鳴らす。その風を避けるように南側の斜面へ移動しそこでお昼をとることに。
台高山脈を前にして、すするうどんは美味しいが全行程が長いため、あまり長居はしておれないのが残念。亀さんは地図を出して早速、谷筋の確認をしている。この沢あの沢いきたいところはいろいろあるが、私たちのレベルで登る沢はあるのかなぁ〜。f^^;)
白倉山から大熊谷の頭を経て
迷岳が見える桧塚へもう少し! 今にも倒れそうな木もオブジェに
なったりする
三峰山脈が横たわる 池木屋山から野江股の頭への
東尾根が広がる桧塚奥峰から見た桧塚(右奥)
30分ほどで食事を済ませて出発。奥峰に戻ると2組の登山者がお昼を取っていた。
来たときよりも短く感じるのはいつものことだが、すでに足の筋肉が張り気味でこれから登らなければならないピークを考えるとドッと気分がグレーになる。(=_=;)
まず、明神岳、そして薊岳、木ノ実ヤ辻、二階岳。特に木ノ実ヤ辻のピークには参った!。
【14時35分】薊岳
薊岳では休憩がてら展望を楽しんだ。昨年末にもここへ訪れたが生憎の雨で展望は断念したいきさつがある。今回はその分を挽回すべくここでも素晴らしい展望を満喫した。桧塚と違いここは鋭峰なのでまったく遮るものがない。
薊岳山頂から伊勢辻山(奥には高見山)が 手前の吊り尾根は今回の出発地でもある二
階岳とジョウブツ山の尾根。奥には白髭岳、
そのさらに奥には大普賢岳の険しい山容を
中心とした大峰の山脈が見える。
薊岳をあとにして木の実や辻へと向かう。100mダウンして70mアップする。ダウンするならアップするなー!とかドラえもんのタケコプターほしい!とかピークにワイヤーを張ってとか、言いたい放題。f^^;) なんとかノの実ヤ辻を登り切るとご年輩のご夫婦が休憩していた。 自然と会話が始まる。出発点は同じ麦谷林道からのようだが、そのご夫婦は薊岳のピストン。私たちが桧塚まで歩いたと話すと大変驚いておられた。ご主人は元山岳部出身で「昔は」を連発。f^^;) 肉体の衰え?を隠せないご様子。今までもご夫婦で関西の山を歩いているとのことで、あちこちの山の名前がでるたびに登山談義に花が咲いた。
一足先に私たちは出発。亀さんは下りで持病の膝を悪くしたようで引きずるように歩いている。二階岳を越えてやっと林道へ。もうくたくた。こんなに長距離を歩いたのは昨年夏の奥穂高岳以来。
このあとはお決まりの温泉。やはた温泉まで標高差700mを車に乗ってゆっくりと下ってゆく。