ビバークしたあの地を経て高島トレイル 木地山峠・与助谷山を歩く



●山 名 北谷・木地山峠・与助谷山
●エリア 滋賀県・福井県
●日 時 2009年(H21)5月24日
●天 候 曇り一時雨
●メンバー ハムさん、たらちゃん、pikkuさん、えりさん、タケさん、森やん、てる
●コース 木地山(中小屋) 9:30
林道との分岐 9:53 
ビバークした場所 10:19
木地山峠 11:52
桜谷山(P825) 12:20−12:56
与助谷山 13:35
木地山 14:41





このホームページ内の記録を参考にして山に登られる方は
ご自身の判断と責任において行動されるようお願いいたします




 
 今年の2月11日。
 百里ヶ岳へスノーハイクに訪れた。
しかし、帰路に時間切れとなりビバークを余儀なくされた。
その原因となったルートを雪のない時期にもう一度歩こうと、そのときのメンバーで話し合っていた。今回そのプランが実現した。
 そのときのメンバーでスナフキンさんと春風さんは風邪で離脱。
 残りのメンバーに加えてタケさんが参加し合計7人で歩きました。

 くつき新本陣道の駅でハムさんとたらちゃんを待つ。
 待つ間、朝市を眺めて回る。ここで販売している、ひまわり堂のパンが好きでいつも買う。
 山菜おこわが美味しそうだったので昼食用に購入。




 
ご満悦のわたくし   高やんが作ってくれたストックホルダー


 お二人が到着し、木地山(中小屋)へと向かう。
 駐車地へ車を止め支度を始める。 
pikkuさんが高やんから預かったものをいただいた。ベルトに付けるストックフォルダーだ。
3月号の山と渓谷に載っていたプロの裏技道具編そのままを作ってくれたのだ。
 使わないときはベルクロでストックをホールドする。ストックのバランスで斜めになり、歩いていても足に当たらない。
 それでいているときにサッと出し入れでき使い勝手がとてもいい。
 高やんに感謝。<(_ _)>

 ここへ来る道中から雨がパラパラしていた。
 予報では午後から本格的な雨になりところによると雷もあるということだったので、出だしから雨具を着込む。


 


  北谷を渡る橋にチェーンがかけてあり、一般車が入れるのはここまで。
 杉林の中、北谷沿いの林道を歩く。百里ヶ岳の東尾根へ取り付いた場所を眺める。
木地山峠までは何もかもが思い出の連続だ。

 しばらく歩くと林道の分岐があった。百里ヶ岳の麓へ延びるルートと、与助谷山の方向へ延びるルートに分かれる。
 登山道はその間、北谷沿いの右岸に沿って続いている。
 あのとき、雪の中を歩いたのは谷の中だったが、登山道は右岸の斜面を高めにとってまっすぐに延びている。


林道分岐付近

(左)今回の山行

(右)2月12日の山行



登山道はこの高さ。僕らがあのとき歩いたのは谷中




 ビバークした場所はすぐにわかった。急斜面なのでザイルをフィックスした杉。
ジグザグにステップを切って下った斜面。雪がないとわかるだろうかと思っていたが、自分でも驚くほど鮮明に記憶が蘇った。
ただ残念ながらビバーク地はかなり上で、木の葉が茂り見えなかった。
 みなそれぞれ思い出しながら眺めている。


ビバーク地はかなりの高さにあり
斜度も急だと改めて知った

 
 




 その先を歩くと、高巻いた場所があった。
 かなりの高さに岩場があり、その上を高巻いたのだ。
 高巻いたルートのところに浅い獣道のような跡があったので、空荷で登ってみた。
 たらちゃんも見てみたいとついてきた。


黄色点線上をトレースし高巻いた
 
ビバーク地を上から見た
黄色点線を下りビバーク地(赤点線)へたどり着いた




 時間は午後6時をまわり、すっかり日は落ちてヘッデンの光が雪を明るく照らす。
長時間雪中を歩き回り、疲れがピークに達していた。
雪を踏み固めトレースを作っている時に足が痙り、歯を食いしばる。
あとに続くみなが不安そうな顔をしている。
 この先へ進んでいいのか?。どうする?。
しばらく考えた後、一人で偵察に出た。
 岩場を回り込んだところで下を照らすと、少しなだらかな場所があることがわかった。ここしかない。大声でコールした。



 あのときの自分がフィードバックしてくる。
 雪があったとはいえ、こんな場所によく踏み込んだもんだと思う。落ちれば命はなかったかもしれない。
 岩場を越えたところで、ビバーク地が見えた。目印の木が2本あった。
 あの場所で一晩過ごしたんだ。よくぞこんなところがあったもんだと改めて思う。

 そう思う反面、来た道を戻ると少し上流に開けた場所があった。
 何も高巻きをして危ない場所に突っ込まなくても、引き返してここでビバークしていれば、危険な目に遭わずにすんだ。
 高巻きせずに登山道のルートを下っていれば、ビバークせずにすんだかもしれない。
 結果論は尽きないが、あれやこれやと思ってしまう。
でも、あのときはそれが最良の選択だと思ってとった行動。
 大事なのは今こうしてまた、見に来る自分達がいること。
全員無事に帰れたことでよしとせねば。


カツラの大木


コケの多さが人が入っていないことを物語っている

 
 


 ビバークから後、「北谷は荒れている」と聞かされていたが、なんのなんの、要所要所にしっかりした道標があり、道もしっかりしているので、迷いようがないと思った。
 が、そこに落とし穴があった。
 谷を詰めて登っていくと、右岸から左岸へ徒渉した後、見えた道は右を向いていた。
登ったところはちょうど炭焼き場跡があった。

 その見えていた道に従い北谷から離れ支尾根を巻くように北へと歩くがどうもおかしい。
コンパスを見てもGPSを見ても木地山峠から離れていく。
 道を戻れば良かったが、この支尾根をある程度登り切ればショートカットできると判断し、激登りに挑む。
さすがこのメンバーだとバリハイは免れない。(笑)
 登山道に何とか戻ることができ、大きくつづら折れに登ったところで木地山峠に到着。


炭焼き場跡


ショートカットに選んだ急斜面







木地山峠はガスに包まれていた


 木地山峠から与助谷山の先の支尾根との分岐までは歩いたことがない。
 この間はブナが多くとてもいい場所だと聞いていたので、歩いてみたかったコースだ。
 木地山峠では休憩もそこそこに、桜谷山へと向かう。
 木地山峠にたどり着く前から、辺りはガスに包まれ幻想的な雰囲気が漂う。
こんな風景を一度は見てみたかったので、気持ちは浮き上がるばかり。
 片や前を歩く森やん。足が前へ進まずまるでカタツムリの行進。(笑) 
さっきの激登りがかなりこたえた様子で、話しかけても蚊の泣くような声しか返ってこない。
 でもその森やんのお陰?でこちらはあとをゆっくりとついて歩きながら、幻想的な風景を心ゆくまで楽しむことができた。




桜谷山への登り





 




 桜谷山に到着。
 頂は広くなだらかな台地状になっている。
 相変わらずガスが辺りを覆い、少し開けた場所でも何も見えなかった。
 ちょうどお昼となったので昼食とする。
 朝市で買った山菜おこわの登場。味付けしっかり、しかも具だくさんでとっても美味しい!。
同じ場所で買った鯖寿司をタケさんが振る舞ってくれる。これまた美味しい。
 とどめは森やんが担ぎ上げてくれたビール。キンキンに冷えてこれまた美味しい!。


桜谷山で昼食
とっても美味しい山菜おこわ
高島トレイルの道標



















 


 桜谷山を出発し、稜線上を歩く。
 小さなアップダウンの繰り返し。最初は想像していたブナ林があまり現れないので、期待はずれか?とがっかりしていたら、あったあったありました。
 立派なブナの登場です。高さこそ大日尾根のブナほどはないが、日本海側のブナらしく風雪に耐える力を持った堂々たる姿だ。
 
 ブナと戯れながら歩くうちに与助谷山へ着いた。
 ここでバンダナショットを撮り、名残惜しいが高島トレイルから離脱し、木地山へと下る。
 しかし、予想に反してこの尾根も良かった。まだまだブナが続く。


与助谷山






ワイヤーが食い込んだまま成長したブナ




下部にもブナの大木があった




 痛々しいブナを発見。木材の切り出しに利用したと思われるワイヤーや滑車がブナの木にくくりつけられたまま大きくなり、まるでそれらが木の一部のようにとけ込んでしまっている。
 これほどまでになるには10年や20年ではきかないだろう。

 P649のプレートを確認し順調に下ると、自然林からスギの植林にかわり、この下り唯一方向がわかりにくいところに差し掛かる。
なだらかな台地状の尾根。踏み跡も浅い。
 その先の尾根が細くなったところで再び自然林にかわったかと思うと、いきなりブナの大木が現れた。
高島トレイル上でもなかなかお目にかかれないくらい大きなブナだ。
 この辺りはガスも取れ、水を吸った葉が鮮やかな緑色を発し、これぞ「新緑」と言わしめる風景が広がる。
 上に見える尾根はガスの中だ。




撮影に余念がないたらちゃん


ギンリョウソウ


愛宕神社跡


最後は林道へ出る


 下るに従って足下にはギンリョウソウがあちこちに見られるようになる。
 淡く白っぽい出で立ちからあまり人気がないのだが、近くで見ると可愛い。
 
 愛宕神社跡の鳥居をくぐり、ラストスパート。最後は横に見えた林道へダイレクトに下る。
 林道が合流したところはなんと駐車地だった。 頭の中では一つ隣の尾根と錯覚していたので、タケさんの車が見えたときは驚いた。
 これで今日の予定は終了。 幸い雨にも振られず、目的を達することができて大満足の一日だった。

 帰りはくつき温泉てんくうで汗を流し、ソフトクリームを食べ、家族のおみやげにプリンを買い
また、pikkuさんのリクエストで367号線沿いにある鯖寿司の美味しいお店「へん朽」へ寄り、僕も一本買って帰った。
 湖西道路まで戻ると天気は回復。 嫁さんに下山メールを送ると大阪はすごい雷雨だったそうで



「また遭難したと思った」



と。 やれやれ。


鯖寿司と太巻きが美味しい「へん朽」