瓶割峠から黒頭峰・三尾山・夏栗山を
ぐるっと一筆書き


●場 所:黒頭峰(620.6m)・三尾山(586m)・夏栗山(600m)
●山 域:丹波
●日 時:2003年(H15)11月24日
●天 候:曇り
●メンバー:てる単独



このホームページ内に報告している記録を参考にして山に登られる方は
ご自身の判断と責任において行動されるようお願いいたします
報告内容についてはあくまでも参考程度にとどめてください


カシミール3Dは上記をクリック 地図はこちらをクリック 地域の地図は上記をクリック
 
 この三山を登るなら佐仲オートキャンプ場からか竹田川沿いの町から登るとかを考えるのが普通かもしれない。そこをあえてこのコースで登ろうと思ったのは、カシミールで地形を調べていたとき、ふとこの瓶割峠が目に止まったから。それにマイナーそうなルートが気に入ったこともあってこちらを選んでみました。

 起きたときに見た南の空は快晴。これなら行けるとふんでそそくさと支度を始め、家を出た。が、車を走らせていると厚い雲がたれ込めてきた。とたんに気分が削げる。行こうか行くまいか、行き先を身近なところに変えようか、頭の中でいろんな事がぐるぐると回るが、とうとう高速の入り口まで来てしまい、えぇぃ!。行ってしまえ〜!とゲートイン。
 しかし、若狭舞鶴道に入ると今度は霧が立ちこめてきた。再び、頭の中がぐるぐると回り出す。(^^;
 丹南篠山口ICを降りて176号線を北上する。霧で山は見えない。しばらく走り鐘ヶ坂トンネルの手前の休憩ゾーンと表示された広い休憩スペースに車を停める。ここまで来てしまったら雨が降ろうが槍が降ろうが行くしかないと腹を決めて支度をする。
 これから登る瓶割峠から黒頭峰への尾根が霧の中から徐々に見え始めた。

 
176号線鐘ヶ坂トンネル南口から
今日歩く尾根を望む(右端が黒頭峰)

【7時40分】出発
 思っていたよりもかなり遅い出発となったが、あまり暗いと峠道は気持ちが悪いのでこれで良しとする。
 国道をまたぎトンネル横から東へ延びる道を歩き出す。すぐに左手に○○林道(名前を控えてなかった)と書かれた杭が見えた。が、これは地形図から見ても左すぎるので違うだろうと判断して、先へ進む。すると工場のような作業場のような建物があり、その先あたりに瓶割峠への道があると思って探すが見あたらず、GPSを出してきて位置を確認しながら歩いた。
 地形図に描かれた道よりもさらに東へ進んだところに北へ延びる谷沿いの道が一本見つかった。早速踏み込む。やはり道は暗く何やら出てきそうな気配に、出てこないように拝みながら足を進ませる。(^^; 歩いているとカントウマムシグサの赤い実があちこちに見える。
 途中には細い枝谷が多く、どれにも道がついているように見えるが、コンパスで方位を確認しながら歩き続ける。植林帯だが整備されていないのか、倒木が多く行く手を遮られることしばし。
 瓶割峠との中間ぐらいまで来たところで左からしっかりした道が横切った。あれ?こんな道どこから来たん?と思ったが考えたところで下らなければ見当もつかない。そのまま上へと延びるままに進む。

 
カントウマムシグサの実 荒れたままの瓶割峠(左が黒頭峰への道)


【8時10分】瓶割峠
 道の向こうに空が見え始めた。そうここが瓶割峠。これから進む黒頭峰も譲葉山への道も荒れていてしかもいきなり急坂。春日町への下り道は今まで登ってきた道よりはっきりしている。国領温泉からの方が登られているのか?。

 この瓶割峠について名前に興味があったので、後日、篠山市役所の地域文化課というところへ尋ねてみた。
 市役所にある歴史書にはその名前についての由来はわからなかったそうだが、地元では瓶割峠ではなく国領坂と呼ばれているということだった。また、『丹波志』という資料には「元は氷上側からの峠が大変険しく人馬荷担ぎすることができなったが、宝暦年間(1751〜64)のころ、大坂高麗橋筋平野町の住人明石屋武左衛門が、国領村の役人へ峠の改修を依頼した。国領村役人はこの篤志金から追入村へ分与し、峠以南の道の改修を依頼し、完成させ、その時の改修にかかわる明和3年(1766)の供養塔が、氷上郡春日町国領の峠を下りた杉林の中にある。 改修が成功してからは、国領方面から篠山・京都方面への人馬通行は、皆この道を利用したという。また山陰道鎮撫使西園寺公望一行もこの峠を利用し、国領から柏原へと向かっているという記録がある。」と説明がありました。峠ひとつをとってもいろんな歴史があるもんだと改めて思った次第です。

 本題に戻って…。
 一気にここまで登ってきたので汗が噴き出し、ここから得意?の半袖モードに変身する。
 瓶割峠から東へと足を踏み込こもうとすると大きな蜘蛛が巣を広げて道を通せんぼしている。蜘蛛嫌いな僕は巣をさっとストックで取って逃がす… というか逃げてもらう。(^^;
 小さいピークを越えるとすぐに下る。そこはまた鞍部になっていてこれが第二の瓶割峠?。こちらは先ほどの峠とは違って春日町と表示された立派な道路標識?が幅をきかせていた。舗装された道路にあるならば何とも思わないが、年にどれだけの人が通るのかわからない細々とした道にこんな看板を設置するとは。
 黒頭峰への道はあとでわかるが尾根上にあったのだが、それよりも春日町側へ向かっている道が、本来歩く尾根を巻いているように見えたので、行けるのではないか?と思いダメもとで歩いてみることにした。しかし、これがやっぱりダメ(^^;で途中から完全に北へ下っていた。仕方なく引き返す。
 元の峠へ戻り、尾根道を探る。踏み後程度だが東へ続いている。その道はすぐに南へ向けて方向を変えて、次は東へそして北東へと向かっている。瓶割峠からだと地形から来る見た目の違いで間違うことは少なそうだが、黒頭峰からだと、かなり注意して地図とコンパスとを睨めっこしてないと間違って支尾根へ入り込みやすそう。
 雑木林の中から北側がチラッと見えたりするのだが、その風景は山の頂が海に浮かんでいるように見える。そう雲海だ。この時期の丹波の山は雲海がよく見えると知ってはいたが、目のあたりにすると本当に素晴らしい。早くスッキリしたところで見たいと足がはやる。

  
第二瓶割峠?にあった春日町と篠山市の境標識   雑木林に囲まれた554のピーク

【9時頃】554mのピーク
 小さいアップダウンを繰り返し、554mのピークの手前まで来てぐっと登る。このピークは雑木に囲まれてまったく見晴らしがない。そのピークで右へ折れて今度は下り。このあたりからマーキングのテープがうるさいくらい巻かれている。今まで少なかったことを考えると、間違って北への尾根へ入り込んでいる人が多いのかもしれない。
 テープを見ると人が入っていると思えて安心感が増える。それに白い杭も目標になる。それには「財・大山振興会」と明記してある。
 黒頭峰への登りにある鞍部へ着くと南へ道らしきものがあった。このときは帰りはこの道を下って鐘ヶ坂トンネルへ抜けようと思っていた。
 554mのピークから下って、今度は黒頭峰への坂を激登り。とても一気には登れず途中で息を整えながら登らなければならないほど厳しい登り。岩がゴツゴツしたところまで来たら登りも穏やかになり、そこからしばらく歩くと黒頭峰へたどり着いた。

黒頭峰への登りにあった目印? 展望がほとんどない黒頭峰の山頂 黒頭峰から見える唯一の展望(^^;
(見えるのは三尾山)

【9時27分】黒頭峰
 事前に調べておいたとおり、展望はほとんどない。微かに雑木の間からこれから登る三尾山が見えるだけ。
 ここでアクシデント発生。デジカメのズームレバーが動かなくなってしまった。どうやら砂利が噛んでしまっている様子。何とか起動はするのでズームの効かないままで撮影を通す。
 展望がないので、撮影をして息を整えてからすぐに出発する。黒頭峰からすぐのところで、三尾山と夏栗山との分岐にさしかかる。来る前に計画していたときは夏栗山を先に回ろうと思っていたが、早く雲海が見たいので展望のいい三尾山を先に選んだ。
 まずは激下り。ソールを張り替えたばかりの靴は土のかかりがいい。が、帰りはこれをまた登るのかと思うとゾッとする。
 ここからの道は良く踏まれた立派な登山道で、しっかり佐仲峠へと導いてくれる。

黒頭峰から東へすぐのところにある分岐 黒頭峰から佐仲峠までは踏まれた登山道 開けた佐仲峠
 
【9時53分】佐仲峠
 思っていたより時間が押しているので足早に進む。
 佐仲峠に到着。ここにも春日町の立派な道標が立っている。瓶割峠と比べるとまぁここならわからなくもない!?。
 広い峠は佐仲ダムと東中からの道、そして北側には三尾山への道がある。早速三尾山へと歩き始める。入ってしばらくは広くて深い谷筋になっていて、そこには落ち葉の絨毯が敷かれ歩いているとフカフカで気持ちがいい。
 地元の小学校の生徒が示したと思われる大きな道標が目に入る。岩がゴツゴツし出した頃から傾斜が急になり、再び息が上がる。
 稜線に出たところから左へ折れてしばらく歩くと三尾山山頂が見える。岩峰が所々見えて興味をそそられる。
 一度下って、最後の登りを踏み込むとそこが山頂。

三尾山への道は落ち葉の絨毯 三尾山山頂

【10時10分】三尾山山頂
 一言。広い!。古く昔はお城があったというこの山頂だが、今では城跡という石碑と共に広い広場になっている。360度遮る物がなく丹波の山々が見渡せる。もちろん、待ちに待った雲海も!。
 上空は曇っているが思いの外、見通しがいい。そのときはどの山か、わからなかったが自宅へ帰ってからカシミールで確認してみたら、北は丹後の山々から、西へ目を向けると粟鹿山や竜ヶ岳や篠ヶ峰、笠形山の峰々、南は今登ってきた黒頭峰とこれから登る夏栗山との鞍部に松尾山・白髪岳。東は鋭い形の三嶽から小金ヶ岳へと続く多紀アルプスの尾根と登ったことのある山ばかりずらりと並ぶ。
 特に個人的には、今歩いてきた黒頭峰から譲葉山・向山へと続く尾根が雲海に囲まれて、正に島のように浮かんでいる風景に感動してしまった。近いうちに今度はそちらを歩いてみようと心に誓う。(^^)
 先におじさんが二人この眺めを楽しんでいた。出発からずっと一人だったのでやっと人と出会えてホッとしたのか、妙に話しがしたくなりこちらから話しかけてみた。
 舞鶴から来たというお二人は、ここまで舞鶴道高架下付近に車を停めて登って来たということだった。聞けば今年は北アの槍・立山と立て続けに登られたそうで、かなりの熟練者のように見えた。そしてお二人もこの展望と雲海という副産物に大変満足しておられた。
 これから鏡峠を経由して下山するという。

山頂から譲葉山・向山の尾根を望む 南に目を向けると今し方登ってきた
黒頭峰(右)とこれから登る夏栗山(左)が見渡せる


三尾山の北峰の岩壁

【10時30分】三尾山を出発し夏栗山へ
 本当はここでお昼を食べようと思っていたが、時間も早いしお腹も空いていないし、何よりお天気が怪しそうなので先を急ぐことにした。
 お二人に挨拶をして今度は夏栗山へ向かう。来た道を下山するところで尾根沿いに道があることに気づいた。これが鏡峠への道のようだ。展望が良さそうなので少しだけその先に行ってみる。
 細尾根が続き展望がいいのは違いないが、特に今登ってきた三尾山の南斜面の岩壁が素晴らしい。白く見える岩峰と紅葉がほぼ垂壁の崖にあって、遠くに見える竹田川の平地と妙高山が遠近感を醸し出していて魅了する。先ほど見えた三嶽の多紀アルプスもこちらの方がはっきりと見える気がする。

三尾山の西峰から見えた多紀アルプス(左奥が三嶽) 夏栗山への分岐

 元の道へ戻り、佐仲峠を過ぎて再び黒頭峰への登山道を歩く。時間もないので今度はGPSを片手に、夏栗山への分岐を探る。
 黒頭峰へと続く道の途中で左からの分岐を確認し左折。谷筋を下り、しばらく歩くとまた谷筋の分岐に出る。頭の中のコンパスが左と言うがそちらへ進みながら「待てよ、下るとおかしいぞ」ともう一人の僕が囁く。コンパスと地図でもう一度確認するとやはり間違って佐仲ダムの方へ降りているみたいだった。すぐに戻り分岐を右へ。その谷をまたぎ尾根を巻くように道は登るとすぐに黒頭峰からの道と合流した。
 しばらく歩くと夏栗山への分岐にさしかかる。「丹波森の径」と書かれた道標に夏栗山と明記してある。
 夏栗山への道は少しだけ北側をグルッと巻くように登り、最後は薄暗い植林帯を抜けると展望台へ飛び出す。展望用にこのあたりだけ伐採したのかかなり広く木々はない。
 人気はなく展望台に登ると西から南の展望がくまなく見渡せる。特に松尾山と白髪岳、そして西光寺山がはっきりと特徴のある姿を見せてくれている。
 ここで嫁さんに無事登ったと報告の電話を入れておいて、大阪市内の雨脚の情報を得る。まだ降ってはいないようで少しホッとする。
 お昼を広げようかどうしようかと悩みながら、おにぎり一つだけ頬張って記念撮影をしていると、登ってきた方角からガサガサと音がするではないか。音がするのに人がなかなか現れないので猪か鹿か?と緊張するが、出てきたのはご夫婦らしい登山者だった。
 ここから見える麓の高倉寺に車を止めて来たそうで、その話を聞いてすぐに地図を広げて位置を確認し、帰りはこちらを回って帰ろうと決めた。あの黒頭峰への急坂を登って帰らなくてもいいと思うと気持ちが楽になった。(^^)
 お二人はここでビールを交えてお昼を取った後、下山するそうで、僕は先に降りることにした。

夏栗山山頂にある展望台



夏栗山から眺めることができる180度の展望

【11時50分】夏栗山を出発し高倉寺へ
 登ってきたときの分岐までは同じ道。分岐からは左へ折れて下っていく。すぐに高倉と書かれた道標と分岐が現れた。地形図とGPSではもう少しのようだが、示されてない道を歩くのも楽しみだとこちらを下った。
 赤土の滑りやすそうな地面に注意して足を置く。尾根を一気に下る鉄砲坂であっという間に高倉寺へと着いた。

【12時16分】高倉寺
 お寺の周辺は紅葉が見頃で赤や黄色がとても綺麗だった。振り返ると夏栗山のこんもりとふくれ上がったような形が見え、さきほどのご夫婦はビールを美味しそうに飲んでいる最中かなぁと思いながらあとにした。

高倉寺への登山道 途中にあった登山プレート 正面奥がお寺
左右に谷が分かれている



高倉寺の本堂 紅葉が綺麗でした 川沿いも紅葉していました


山門から夏栗山を望む

 ここからはずっとアスファルト道。登山靴にはこの堅さがこたえる。
 見える田んぼは稲刈りが終わり、土と刈られた根が点々と残っているだけ。176号線からは歩道がないところもあり、後ろから来る車に当てられないかと冷や冷やしながら先を急ぐ。
 途中で金山への登山道入口を偵察がてら旧道へ入る。付近には駐車スペースはなく、今回停めたところまで止めにいかなければないようだ。
 金山への尾根沿いも紅葉がピークで見事な色を咲かせている。

【13時16分】鐘ヶ坂トンネル南口到着
 1時間みっちりとアスファルト道を歩いて肉刺ができた。
 さぁお次は温泉だ。今回は2週間後に西光寺山へあるグループと登る約束をしているので、ついでといっては何だがその下見を兼ねて近くを通り、東条温泉「とどろき荘」まで足を運んだ。この三山を登ってから温泉へ行くなら東条温泉まで行く人はいないだろうが、温泉好きな僕が、まだ訪れていない温泉に出向くのは当たり前で普通のこと。もし、この三山に登った後に温泉へ行くのなら、一番近い国領温泉がお奨め。

 今回歩いた瓶割峠からは、誰にでもお勧めできるコースではありません。もし三山を回るのなら佐仲ダムから回るのが一番手っ取り早い方法でしょう。でも、あまり歩かれていない道をお望みの方には瓶割峠からがお奨めできるかも。(^_-)