山姥伝説が残る 虫倉山へ

●場 所:虫倉山(むしくらやま)
●山 域:信濃
●日 時:2000年(H12)5月4日
●天 候:晴れ
●標 高:虫倉山1,378m
●地形図:信濃中条(1/25,000)
●メンバー:てると嫁さん
●コースと参考タイム:
【10時15分】水車小屋登山口出発
【10時50分】虫倉神社
【11時22分】奥の院から岩場へ
【12時20分】山頂到着
【13時30分】山頂出発
【14時30分】不動滝登山口
【15時05分】水車小屋到着


地域の地図は上記をクリック

オリンピック道路近くから見えた虫倉山


 今年もGWを利用して嫁さんと二人で信州へ遊びに行きました。そして今回は昨年の飯綱山に引き続き信濃の山、虫倉山に登りました。虫倉山は信州100名山のひとつに選ばれ山姥伝説が残る山として知られています。
 今回は数あるコースの中から急峻なさるすべりコースを登り、不動滝コースを下るルートを選びました。このルートを選ぶにあたって今回大変参考にさせていただいたホームページがあります。長野県警にお勤めの中嶋さんのホームページです。中嶋さんのホームページはどちらかというと、アルプスなどの有名な山よりも比較的低山とされる山を多数紹介されています。その内容もご自分で書かれた解説付きの手書きの山マップなどがあり、たいへんわかりやすくなっています(下記にリンクしています)。

水車小屋の前は3台ほど置けるスペースがある


 【登山口出発】10時15分
 栂池高原にある宿を出発し、オリンピック道路を長野市内へ向けてひた走る。右手に迫る後立山連峰はまだまだ積雪が多く山肌が雪で覆われて白い。美しいその山容を見せてくれるがそれぞれの頂が雲に隠れて見えないのは残念。
 緩やかなカーブが続く県道31号線から虫倉山麓の水車小屋(登山口)へ続く村道の入り口がわからず迷いに迷い、大幅に出発時間が遅れてしまった。
 
沿道に咲いていた花。ニリンソウかな?


 ようやく、登山口である水車小屋前に到着。この山の伝説でもある山姥について案内板に説明があった。山姥というと恐ろしい怪女のイメージが浮かぶがここ虫倉山の山姥は優しい子育ての神様です。
 まずその山姥の祭ってある虫倉神社まで歩くことにします。
 出発の支度をしているうちに、今日同じコースを登るというグループが先発し、逆にもう虫倉山に登ってきたという人とも会いビックリ。
 水車小屋の前の三叉路を右折し葛折りの登り坂をてくてくと登っていきます。さるすべりコース口までたどり着くと北アルプスが見渡せ、裾野には田畑の土色の他に緑や青や赤色の屋根が彩りよく点在し、里山の雰囲気が味わえます。
 そこから上へはさらに細くなり軽自動車一台がやっと通れるほどの道になります。
 登山口でおじいさんが僕らの登山姿を見てか「虫倉山か?」と声をかけてきた。「子供の頃はよく遊んだもんだ」と昔を思い出すように話しておられた。
この後も虫倉神社から降りてくる山仕事を終えたおじいさんやおばあさんたちが気軽に声をかけてくれる。何か暖かい気持ちになれたひとときだった。

さるすべりコースの登山口から見た、登って
きた道のり。里山って感じがいい。
虫倉神社で休憩。


 【虫倉神社】10時50分
 鳥居の前には急な階段があり、それを登ると虫倉神社があった。境内は綺麗に掃除してあり村の人達がいかに大切にしているかがわかるような気がする。
 ちょうど、水車小屋前で先発していたグループが休憩していて僕たちも休憩がてら、将来生まれてくるであろう子供を守ってもらうため?と道中の無事をお祈りし出発。

コゴミはたくさん見られた。 初めて見たヤブレガサ。名前そのものの姿
が笑える。これも山菜の一つ。


 神社の右を通り抜けて伸びる登山道を登っていくと杉林からブナなどの広葉樹林に変わり辺りが明るくなる。登山道にはやぶれがさというキク科の面白い姿の山菜を見つけた。その名の通り、まさに破れた傘を開いたような姿に嫁さんは「へんなのー」と言っていた。
 少し歩くと道は西側が開けて北アルプスの姿が一望できる箇所に来る。展望を見ながら少し休憩。
 さらに先に進むと登山道に立派なマンホールがあった。空気抜きのパイプもあったのだがこれは何なんだろう?。

明るい林の中を歩く 山門のような大木の間を抜け
ると左の奥の院に着く
奥の院の社。ここから急坂となる。


 【奥の院から岩場へ】11時22分
 杉の大木が並んだ間を登山道が突き抜けている。まるで山門のよう。ここから先は再び杉林が茂り林内は薄暗くそして急な坂となる。ほどなく、奥の院到着。せり出た岩の下に立派な祠があり、昨年登った大普賢岳で見た笙ノ窟を思い出させる。
 ここでは3人のグループが昼食をとっていた。
 ここから先はさるすべりコースの本骨頂、急斜面+岩場が現れる。奥の院を出発してすぐに岩場が登場!。嫁さんの悲鳴にも似た声が漏れる。(^^;

奥の院の横にある鎖場 痩せ尾根で高度感が味わえる


 使い古したロープの他にまだ付けられたばかりのような真新しいチェーンもフィックスされている。昨日の開山祭に向けて新しく設けられたのかもしれない。
 あくまでもチェーンは補助として、しっかり指にかかる岩のホールドを持って足もしっかり置いて「よいしょ!」っと体を持ち上げて上に登る。
 ここ以外にもさるすべりコースは山頂まで何ヶ所もこんな岩場がある。初めて山に登る人や小学生以下の子供がいるならば、不動滝コースなど安全なコースを選んだ方が無難だ。
 コースは登るほどに痩せ尾根になり、万が一滑り落ちるとどこまで落ちるかわからないほど深い谷になっている。経験の浅い嫁さんが岩場を登るときは、その深い谷がバックに映るので、もしものことが頭に浮かびこちらもハラハラし通しだった。
 そんなルートだったが、家族連れのグループや年輩のグループが次々に降りてくる。

クロモジかな?


 【贅沢な展望を満喫できる山頂へ】12時20分
 山頂直下ですれ違ったグループに「もう少しだからね」と元気づけられ、そして山頂へ。\(^o^)/
 それほど広くない山頂だが、展望は聞きしにまさる良さで、有名な山々が手に取るように見渡せる。
 北アルプスの山々はもちろんのこと、北には雨飾山、東へ目を移すと戸隠連峰、奥には高妻山、その右には台形の頭をした黒姫山、その奥には少しだけ頭を出した妙高山、さらに右には昨年登った飯縄山も見える。
 南側は逆光気味になるため霞んであまり見えないが、八ヶ岳連峰がどっしりと腰を据えている。見通しがいいと富士山まで見えるらしいが今回は見えなかった。
 この山頂にはタワー展望台にあるような立派な双眼鏡も設置されていて、もちろん無料で見ることができる。しかし、車がたどり着けない山の頂にこんな立派な双眼鏡が設置してあるなんて初めて見た。
 その狭い頂きに十数名の登山者がひしめき合い、展望を楽しみながら昼食を食べている。僕らもその中に混じっておにぎりを頬張った。
 登山口で先に出発したグループの方から何故かいきなり缶ビールを頂いた。
お礼を言って一口飲むとこんなにビールって美味しかったかな!?と思えるくらいうまかった。次回から一口サイズのビールを持ってこようと嫁さんと確認した。(^^)
 昼食を終えてからも次々と登ってくる人が絶えず、変わりばんこに記念写真を撮ったり撮られたり忙しいこと。
 関西に住む僕にとって1300mほどの山でこれほど有名な山が展望できる山があるなんてやっぱり信州はいいなぁと思いました。

山頂は広くもなく狭くもなくといった感じ? 道標はしっかりしている 立派な双眼鏡が設置されている


北から北東を眺めた画像です。左から雨飾山、中央が
戸隠連峰、右端が黒姫山です。


ここから見るとなだらかな山に見える雨飾山 登山意欲をそそられる戸隠連峰と高妻山
   
戸隠連峰全景です。
(画像をクリックすれば拡大します)
黒姫山の後ろには妙高山の頭がチラッと見
えています。


北アルプスの大パノラマも楽しめます
(画像をクリックすれば拡大します)
微かに槍ヶ岳が見えた!!
(画像をクリックすれば拡大します)


 【不動滝ルートを下山】13時30分
 後ろ髪を引かれつつ山頂を出発し下山を開始しました。
 今度はもっともポピュラーなルートでもある不動滝ルートを下ります。さるすべりコースとは違い、危険な個所はほとんどなく山菜など草花を楽しみながらの下山です。

地形図にもない日本記へのルートの分岐 天神城ルートとの分岐


 途中で日本記ルートと分岐しそこから少し下るとまた分岐があり天神城コースとの分かれ道となる。左左へと道を選び、葛折りに下る道を歩く。沿道には草花というより山菜が多く、名前がわからないけれどいろいろな山菜が若芽を出している。
 こうして山菜を探しながら見て歩くのもまた楽しい。

金倉沢のガレ場 沢で水をすくってのどを潤す


 歩いていると金倉沢という看板が立つガレ場と交差する。サイコロ状の40cm角の岩が7、8mの幅でゴロゴロしている。なぜここだけ?という疑問が残る金倉沢だった。
 その先には不動滝に流れる沢が横切り、ここで自然の水を手ですくって飲み、のどを潤す。

沢沿いに咲く黄色い花 ネコノメソウ ギシギシと呼ばれる多年草。水路に沿って群生するところから地下水脈を知る指標植物のひとつになっている。山菜としても食べれる。 可憐な花 アズマイチゲ


 【不動滝登山口】14時30分
 ここからはこの沢に沿って下っていく。堰堤が2カ所あり、ほどなくこのコースの登山口に到着する。その横にはコースの名前になっている不動滝が豊富な水量をたたえ流れている。高さが十数メートルもある立派な滝だ。
 ここからは水車小屋まで延々とアスファルトの道を歩かなければならない。
時間にして35分。疲れた〜。

登山口にある不動滝


 【水車小屋到着】15時05分
 車を停めた水車小屋の前にやっと到着。
 下っているときに見えたさるすべりコースの支尾根が見えた。かなりの急斜面でよくこんな所を二人で登ったなぁと顔を見合わせた。
 山全体は岩山で岩壁もありクライマーにはよだれの出そうな山なのですが、登山道も良く整備されていてハイキング気分でも登れる里山といった感じがします。
 嫁さんと二人、堪能して虫倉山を後にしました。 

中嶋さんのホームページへリンク