2005年初登りは七種薬師


●場 所:七種薬師・そうびろ山
●山 域:丹波
●日 時:2005年(H17)1月3日
●天 候:曇り時々晴れ
●標 高:七種薬師616m・そうびろ山538m
●メンバー:てる単独
●ルート:板坂−板坂峠−P397-P436−P448−七種薬師−P448-そうびろ山(P538)−関電鉄塔−P318−板坂



このホームページ内に報告している記録を参考にして山に登られる方は
ご自身の判断と責任において行動されるようお願いいたします
報告内容についてはあくまでも参考程度にとどめてください


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  お正月の話題は昨年末にインドネシア、スマトラ地震の影響で発生した大津波のことで各メディアも持ちきりだった。そういえば細木数子のスペシャル番組も多かったっけ。
 例年になく大晦日から訪れた寒波の影響で大阪市内までもが雪がうっすらと積もった。暖かかったり寒かったりと異常気象の影響をもろに受けた形だ。
 毎年、お正月は3日から嫁さんの実家へ泊まりで行くことになっていたのだが、前日予定していた山歩きが雪の影響で行けなくなってしまったことで、僕はこの日に山で遊ばせてもらった後に実家で合流するということで嫁さんからお許しが出た。山の神に感謝感謝。(^^;
 
 今回選んだ山は七種薬師。11月に登った七種山でその雄姿を見定めてから登りたいと思っていたからだ。
 今回のルートは中庄谷さん著書の「低山ワールドを楽しむ」に載っているルートの一部を歩き、そのまま稜線沿いに七種山まで歩くというロングハイクを企てた。

 丸々一日が使えるということで今回は比較的ゆっくりと自宅を出発し中国道を西へ。福崎ICで降りて板坂の村へ着いたのは9時前だった。思っていたほど雪は積もっていなくてホッとする。その昔はこの車で信州へもスキーへ出かけたくらい雪道へっちゃら!だったのに、スタッドレスは期限切れ、常に履いているのはローワイドタイヤでタイヤハウスの関係上チェーンも巻けず、昔の栄光はどこへやら、雪とは無縁の車になってしまった。(^^;

七種川近くの板坂から眺める風景

【9時すぎ】板坂から出発
 道路沿いに車がゆっくりと駐車できるスペースを見つけて停める。この時点では七種山まで歩き、帰りは野外活動センターを経て道路を歩いて帰ろうと思っていたので、あまり奥地へ停めるとあとが辛いと判断してほどほどのところを選んだ。
 支度を整えて出発。しばらくは舗装道路が続き、2つ目の大きなため池のところで地道に変わった。その、ため池の前に車が停まっている。「へぇー、こんなマイナーな山にも歩く人がいるんや」とてっきり山屋さんの車だと思っていたら、ため池で釣りを楽しんでいる人の車だった。
 峠に近づくと杉の木が台風の影響を受けて至るところで倒れている。昨年の台風の影響で各地の山々で木が登山道にも容赦なく倒れ込む現場が多く見られるようになった。後々わかることだがこのエリアは特に被害が深刻だ。

【9時30分】板坂峠
 少しだけ開けたところにお地蔵様が祀ってある。その裏手から尾根へと道が延びている。尾根への道はかなりしっかりしていて良く歩かれているみたいだ。しかもうるさいくらいにテープが巻かれてある。白、ピンク、黄色…。これじゃ道を踏み外そうにもはずせない。(^^;

上部のため池 板坂峠のお地蔵様

【9時47分】P359からの稜線に乗る
 稜線までの勾配は急で一気に汗をかく。登り切ったところには赤い三角プレートで「薬師へ」と書かれた物が置いてあった。P359への道も明確で良く踏まれている。
 少し休憩して今度は北東へと進む。しばらく歩くと岩尾根になり展望が開ける。これから目指す七種薬師はもちろんのこと、中庄谷さんが載せている鎌尾根の岩峰、そして東側には今し方歩いてきた板坂の集落も一望できる。これから歩くところが見通せるというのは嬉しい。

板坂峠から稜線までは思ってい
た以上によく踏まれていた
板坂峠からの道と稜線沿いの道との合流点


七種薬師や鎌尾根もはっきりと見える

今歩いてきた板坂の集落が見える

【10時16分】P397
 北東へと足を進ませると登りになる。ピークを迎えたところに西から道が合流する。ここがてっきりP397だと思っていたのだが、三角点はこの先の東側にあった。西から合流する道は中庄谷さんが間違って下山しかけたと記載している道に違いない。ここには地主さんの境界杭らしき「鹿財」と打たれた杭があった。
 その東へと向かう道を歩くとすぐに国土地理院の三角点がある場所に着いた。ここがP397だ。あとでわかったことだが、このコースは地元の山岳会では板坂コースと呼ばれていて、七種薬師からこのピークを経て南東へ延びる尾根の先の板坂へそのコースは続いているようだ。ただ、見た限りでは、ここから板坂へはあまり歩かれていないように思える。
 今度は北へ進路を変えてピークをあとにする。

P397のピーク

 P397から北へ延びる尾根に乗ると、地形図でもわかるように細い細い岩尾根になる。そこから見える眺めは本当に素晴らしいもので、特に明神山がはっきりスッキリ見えるのには感動した。形のいい明神山を遠くからしっかりと眺めることが出来るのはこの尾根くらいだろう。 おまけに七種薬師ももちろんのこと、中庄谷さんが歩いた尾根も見渡せる。胸の空くような展望にしばらく足を止めてシャッターを押しまくる。
 この辺りに来ると足下にちらほらと雪が積もってくる。この日は比較的暖かかったので問題ないが、凍結すれば両側がスパッと切れ落ちた断崖絶壁なので厳しい山行になること間違いない。
 その反対側(東側)では山の斜面一面の木がなぎ倒されている。これも台風の影響か!?。驚くべき自然の怖さ。何十年も育ててきて木がある日突然見るも無惨な姿に変わったらどんな気持ちだろうとふと思った。

岩尾根から眺める大展望


これだけ大規模に被害を受けている場所を見たことがない


岩肌に生えていた木が土ごとめくれ落ちた 岩尾根を過ぎると雑木林へ

【11時03分】P538からの尾根との合流地点
 展望の良かった岩尾根から一転。雑木林に突入してからは見通しは遮られてしまった。と同時に雪が地面を埋める。積雪はそれほどでもなく5cm程度。新雪の上には木の滴、鹿や猪などの動物の他に大きな足跡…。もしやこれは…。かなりビビリが入りここからラジオをつける。ボリュームは大きめ。鈴も余計目に鳴らす。(^^;
 P538からの尾根と合流する地点のピークへ到達。雑木に囲まれて展望は全くなし。木々にはこのエリアでは見慣れた薬師峯愛好会のプレートが掲げてある。ここからP538を経て野外活動センターへ下る道があるようだ。いずれ歩いてみたいと思ってこの場をあとにしたのだが、再び戻ってくることになるとは思いもしなかった…。

椿の花が雪の上に落ちていた 尾根沿いにヌタ場が多いのも特徴 七種薬師の手前の分岐

【11時47分】七種薬師山頂
 北へ向かうほど雪は多くなり、そこには踏み跡があった。突然出てきたのでハンターの足跡かもしれない。
 七種薬師への登りはかなりきつくて息が荒くなる。でも、ゆっくりと自分のペースで登り続けると休まなくても一気に行ける。
 急な坂を登り切るとそこは野外活動センターから七種山への登山道にある山門付近から延びる道との合流点だった。一番簡単に七種薬師へ登るならこのルートがいいようだ。
 ここから道標に従って西へと歩くと5分ほどで七種薬師山頂へ到着。山頂は少し高台になっていて雪が積もっている。思っていたほど展望は望めず北から東側が見渡せる程度。しかし、このエリアの代表格である七種山と七種槍が見えるのが救い。
 特に七種槍は尾根に対して直角に位置するため三角錐の優美な姿が正面に見え、「槍」と称される所以がここへ立つと納得できる。七種山の中腹に位置する七種の滝、遠方を見ると雪をかぶった千町ヶ峰や段ヶ峰、千ヶ峰、笠形山も見渡せる。
 突然、東の方で銃声と犬の鳴き声がする。板坂峠から登り切ったときにも北の方から銃声がした。この時期はハンターにも気をつけなければならない。

 そんなとき、ふとラジオのチューニングを毎日放送に切り替えた。そこには鶴光の声が。何でこんな時間に鶴光の声が???。と思って聞いていたら新年の特別番組でこの日だけ鶴光がDJをしていたのだ。
 僕らの世代は鶴光といえばヤンタンとオールナイトニッポンが有名。番組もその当時のコーナーを復活したり相方であった角淳一アナや佐々木美絵アナも電話で登場するなど懐かしい声が次々と聞こえてくる。お陰で下山するまでずっとラジオで楽しめた。(^^)

 ちょうどお昼となったので、ポットに持ってきたお湯でカプチーノを作りパンを頬張る。これらの展望を独り占めしながら食べる至福の時間。
 しかし、冷たい風が吹きすさびとてもジッとしていられない。山頂には薬師峯愛好会が掲げたこのエリアの詳しいルート図があった。それには今歩いてきた板坂のルートはもちろん、先ほど合流した野外活動センターからのルートなどが記されている。
 その中で目をひいたのがP538から南へ下り関電の鉄塔から板坂へ下るというルートだ。村田牧場からの地獄鎌尾根コースや七種山へと抜ける薬師縦走コースは別々にプランを立てた方がそれぞれ楽しめそう。
 そう考えたら決断は早い。予定していた七種山への縦走はまたの機会にして、これから来た道を戻りP538から南へ下り関電の鉄塔から板坂へ下るルートを取ろうと決めた。

七種薬師山頂 山頂にあった薬師峯愛好会提供
のルート図
山頂の見晴台の後ろにあるお地蔵様

正面に七種山と右には七種槍

【12時19分】七種薬師山頂を出発
 山頂をあとにして来た道を戻る。来たときには見逃した境界杭や枝道があちこちにあることを発見する。一つはP448の北西の支尾根へ延びる道。そこには「境」と記された石杭がある。そしてもう一つはP538へ分ける支尾根のピークを西から巻くように延びている。もしかしたらそのまま西へ延びる支尾根へ下っているのかもしれない。

 
P448への尾根の分岐にある
石杭


【13時17分】P538(そうびろ山)
 P538への分岐を左折(東へ)。この支尾根はなだらかな細尾根で雑木林に囲まれて、周りは何も見えず次に展望が望めたのはP538だった。
 P538はちょうど七種薬師の方面だけ開けている。ここにも愛好会のプレートが掲げてあり、それには「そうびろ山」と書かれていた。

P538のそうびろ山
後ろは七種薬師
そうびろ山の山頂

 南東へ向かう道を歩くとすぐに道標があり、野外活動センターへと書かれている。ここから北東へ下る道が野外活動センターへのルートのようだ。 さて、これから歩こうと思っている南尾根を見てみるとこれが藪藪藪。まったく踏み跡さえもない。どうしたもんかいな?と考えて、とりあえず藪を漕いで探ってみる。しかし、どう見ても踏み跡が見つからない。このまま藪ばかり続くのは時間的にも厳しい。
 思案したあげく、しばらく藪を漕いでみて続くようだったらやめて野外活動センターへの道を下ろうと決めた。
 いざ、藪を漕いで…。と思っていたら踏み跡発見!。(^^; しかし、かなり浅くほとんどないといってもいいくらいだったが、藪はなくなり立木が乱立する程度。
 藪へ突入したときは勾配があった尾根もすぐになだらかになる。その先に岩尾根の展望のいいところにさしかかると再び急な角度で下っていく。
 右手には朝方歩いてきた見晴らしのいい展望尾根も見える。


藪を抜けると立木の乱立帯


岩尾根の下りで見えた歩いて来た尾根(画像上)と
これから歩く尾根(黄色点線)

 この岩尾根を下るときに足を滑らせて膝から滑ってしまい、膝から太い幹に激突。膝が割れたかと思うくらい激痛が…。恐る恐る立ってみて痛みがなかったのでホッとする。(・・;) こんなところで動けなくなったらどうすればいいんだか。
 下りきったコルから登りにさしかかると道はシダの中に消えてしまいわからなくなった。とりあえず上を目指そうと今度はシダのヤブ漕ぎ。深いところは胸くらいもあり、木の枝もからまって体が前へ進まない。この時期でもこれだけ深いと、冬季以外はとても踏み入れる状況じゃないなぁと思いつつ、必死にもがく。

【14時02分】名もないピーク
 名もないピーク近くまで登ってやっとトレースが現れる。そしてようやくピークにたどり着く。やれやれって感じ。
 一服していると、突然「パーン!」という銃声。近い。おーい!ここに人間がおるぞー!と鈴をバンバン鳴らしラジオのボリュームを最大にする。こんなところで打たれるわけにはいかない(どこでも打たれるわけにはいかないが(^^;)ので慌てて下る。
 ルートは西から南西へと向きを変えて下る。途中の岩尾根で福崎の市街地やこれから歩く関電の鉄塔が立つピークも見える。関電の鉄塔のあるピークまでは探せば踏み跡が見つかり、はずさないように進む。
 
名もないピーク

下りの岩尾根からは南西の展望が一望できる
黄色点線は歩いたルート
下りもシダの海

【14時20分】関電の鉄塔
 関電の鉄塔までたどり着くと周辺は木々が伐採されていて見晴らしがいい。関電の巡視路が田口へとこれから下る板坂へと分けている。板坂へと下りP318のピーク手前で巡視路は西へと下っていく。南東の方角へも道は延びている。
 急坂をつづら折りで道は下りため池の前に出た。そのまま南へ道を下ると板坂の村落へ。静かな村落を通り抜けて車を止めた場所までたどり着けた。
P318の手前で振り返った眺め


最後はため池に向かって下る

 帰りに温泉へ寄って帰ろうと今回訪れたのはウェルサンピア姫路ゆめさきという兵庫厚生年金健康福祉センター内にある温泉です。
 さすが厚生年金施設だけあって作りはゴージャス。詳しくは村の温泉巡り(近日公開予定)で。

 板坂峠から七種薬師までの稜線は岩尾根からの展望が見所です。七種薬師まではトレースもしっかりしていて枝道だけ気をつければ特に問題なく歩けると思います。
 P538から板坂までの歩いたルートはほとんど藪道で地形図とコンパスは必需品です。しかも、この時期はハンターも多く、マイナーな道だけに危険度は増します。なのでわざわざこのルートを歩く必要はないでしょう。僕以外は。(^^;
 今度は三枝草から地獄岩尾根ルートを七種薬師へと歩いてみたいです。猟期が過ぎれば。(^^;