残雪苦闘の野伏ヶ岳
残雪苦闘の野伏ヶ岳 囲炉裏

残雪苦闘の野伏ヶ岳 山頂
●山 名 野伏ヶ岳
●エリア 福井県・岐阜県
●日 時 2008年(H20)4月29日
●天 候 晴れ時々曇り
●メンバー pikkuさん、春風さん、しんさん、てる
●コース  白山中居神社 6:26
 林道分岐 7:41
 ダイレクト尾根取り付き 8:28
 野伏ヶ岳 11:26−12:40
 北東尾根取り付き 14:04
 石碑 15:45
 白山中居神社 16:56




このホームページ内に報告している記録を参考にして山に登られる方は
ご自身の判断と責任において行動されるようお願いいたします
報告内容についてはあくまでも参考程度にとどめてください


残雪苦闘の野伏ヶ岳 地図


  今回はプチ遠征。白山の南側に位置する野伏ヶ岳へ登りました。
 山スキーでは有名な山も、雪の時期を過ぎるとホームページでの報告も少なく、なんでだろう〜なんでだろう〜(←ふるぅ!)と思いながらも足を運びました。

 前夜、大阪を出発。名神・東海北陸道とひた走る。
 バブル絶頂期、スキーブームに乗り、右も左もわからないのにスキー道具を一式揃え、足蹴に通ったのがこの奥美濃エリアのスキー場。その頃はまだ東海北陸道が各務原と美濃の間しか開通していなくて、深夜にもかかわらずスキーヤーの車で大渋滞の国道157号線をえっちらおっちら走った記憶が蘇る。
 そんな東海北陸道も今夏、ようやく富山県側と繋がり一本化となるそうだ。
 昔の記憶は何事かというくらい車の数は少なくてあっという間に奥美濃へ到着。

 翌朝、気温は3度。大阪は20度以上だったので、めちゃめちゃ寒く感じる!。
 ウイングヒルズ白鳥の看板に従って峠道をひた走る。空を見ると雲が多い。事前の天気予報では晴れマークだったのに山の天気は気まぐれだ。

 白山中居神社駐車場に到着。止まっていた車から男性が二人降りてきて声をかけられた。これから野伏ヶ岳へ登ると話すが、よくわからないご様子。そそくさと車を走らせ和田山牧場跡地へ向かっていった。
 僕らはもちろん歩いて出発。

残雪苦闘の野伏ヶ岳 白山中居神社 残雪苦闘の野伏ヶ岳 林道
白山中居神社の駐車場 遠くに野伏ヶ岳が見える


 石徹白川に架かる橋を渡るとき、目指す野伏ヶ岳が見えた。遠い!。雪もたっぷり残っている。
 林道を歩いていると、さきほどのおじさんが車を走らせて戻ってきた。道のコブで車体の腹をガリガリ擦っている。ハリアーでこれだから普通乗用車だったら腹で両輪が浮いてしまうかも。
 「雪があって戻ってきた」と一言。まだこのあたりは雪は残ってないけれど、上はあるんだと納得。



残雪苦闘の野伏ヶ岳 林道
和田山牧場跡から引き返す車

 

残雪苦闘の野伏ヶ岳 林道
徐々に残雪が出てきた


残雪苦闘の野伏ヶ岳
林道からはずれ杣道を歩く



 地形図には林道から外れて点線マークがある。その分岐へ来たとき、点線ルートを歩いてショートカットすることにした。
 杣道なのか踏み跡はしっかりしていたが、倒木と雪で次第に怪しくなり、途中からは地形図とGPSで位置を確認しながら、気がついたらダイレクト尾根の付け根に来ていた。



残雪苦闘の野伏ヶ岳
植林帯を抜けるとダイレクト尾根が見える雑木林に出た



残雪苦闘の野伏ヶ岳



残雪苦闘の野伏ヶ岳



 そのまま、ダイレクト尾根を登るのだが、以前、山スキーできたことがあるしんさんは一面銀世界だった同じ場所が、藪々で広がっていることに驚いていた。
 僕らは初めて来た場所なので驚きはないが、藪の酷さにはほとほと困った。今まで体験したヤブコギなど初級者レベル。この藪は上級。笹藪ではなく竹藪。しかも密集していてちょっとやそっとでは、よけることもできない。その上、濡れていて上に乗ると滑って転ぶ。何とも始末の悪い藪!。


残雪苦闘の野伏ヶ岳



 そんな藪を漕いでいると、いきなり携帯電話が鳴った。仕事の電話だ。こんな山奥でも電波が届くのかー。
 山を楽しんでいるときに仕事の電話が鳴ると一気に現実に引き戻された気分になる。電源を切ったはずが切れていなかった。交渉事だったが一つ仕事が成立。こんなところで仕事が成立するとは複雑な気分。しっかりと電源を切って先を行く仲間を追いかける。
 


残雪苦闘の野伏ヶ岳



残雪苦闘の野伏ヶ岳


 徐々に傾斜が増す頃に、所々藪が取れ雪面が広がる。
 そのときに上から人が降りてきた。北尾根から登ってきたという単独の男性だ。12本爪アイゼンが目にとまる。北尾根は傾斜がきついので、こちらへ回ってきたそうだが、こちらは藪が酷いことを告げると、思案したあげく北尾根へ迂回していった。
 北尾根との合流地点あたりの雪面が一番きつくて歩くのに神経を使った。一つ間違えばすり鉢状の谷底へ一気に滑ってゆきそうだ。
 そんなとき、しんさんが持っていたピッケルが存在感を増す。しまった!こういうときに必要なのに!と思っても後の祭り。数年前に野田畑谷で滑落の怖さを体感しているだけに、後悔も一塩。


残雪苦闘の野伏ヶ岳
画像では表せない傾斜の角度 実際はもっと角度があります。

 
残雪苦闘の野伏ヶ岳



残雪苦闘の野伏ヶ岳



残雪苦闘の野伏ヶ岳山頂


 そんな怖い斜面も無事通過し、再び現れた酷い藪も何とかこなし、見えた雪面
の先は待ちに待った山頂!。やったぁ!。

 360度の展望。やはりというか一番、見応えのあるのは白山。周りに見える他の山々はさすがに雪が溶け山肌が見えているが、白山は冬山の様相を残している。
 他にも赤兎山・経ヶ岳・荒島岳・毘沙門岳・大日岳とそれぞれ特徴のある山々が連なる。

 白山が綺麗に見えている内にバンダナショットを撮り、ちょうど、時間がお昼近くになったのでランチタイムとする。
 今回の昼食はカレー鍋。具材はpikkuさんが調達してくれました。酸味と辛さが合いまったいいお味です。(^^)v 一気にぺろっとすべて平らげました。
 気がつくと二人が登ってこられました。



残雪苦闘の野伏ヶ岳
南西尾根の先には荒島岳が見えた


残雪苦闘の野伏ヶ岳 白山
堂々たる白山の雄姿



残雪苦闘の野伏ヶ岳 カレー鍋
カレー鍋 かなりいけます!
 
残雪苦闘の野伏ヶ岳
雪面でお昼を食べる



残雪苦闘の野伏ヶ岳
経ヶ岳(左)と赤兎山(右)


 帰路は予定通り北尾根を下ることに。
 先ほどの、藪漕ぎはこりごりなので、雪面をショートカットし一気に下ろうということになった。が、そう易々とは藪山は見逃してくれず、行き着いたところは藪だった。しかも、今度は踏み跡のない新鮮な藪…。ブルドーザーのごとく踏み倒していく。
 藪を出たところは雪面の上部で、結構な急斜面。しかもクラックが入り、踏み込んでいいものか判断に迷う。他に選択できる方向はなく、半信半疑で雪面をトラバースしていく。
 それを越えて一息ついたのもつかの間。藪が遮って向かいたい北尾根へストレートにトレースできない。右へ左へ少しでも藪の少ない場所を選び、少しずつ下っていく。
 最後は藪のないスプーン状の雪面を踵打ちで一気に下る。これが急斜面で最後まで緊張が取れない北尾根だった。
 しかし、山頂近くで会った北尾根を登ってきた人のトレースがまったく見あたらなかった。一体どこを歩いて登ってきたのだろうか?。


残雪苦闘の野伏ヶ岳
北尾根を下る


残雪苦闘の野伏ヶ岳
背丈を覆うほどの藪


残雪苦闘の野伏ヶ岳





残雪苦闘の野伏ヶ岳
ダイレクト尾根を眺める


残雪苦闘の野伏ヶ岳
見納めの白山


残雪苦闘の野伏ヶ岳
最後は急斜面の雪面を下る



 地形図では山の麓を回るように林道が走っているが、何とかこれか?と見分けられる程度の道を歩いていく。
 ところが、GPSと地形図の林道の位置にずれがあり、地形図で描かれている林道に少しでも近づこうと、無理に進路を変更したりして、結局これがロスになり、最終的にはpikkuさんが推していた林道らしき道が正解で、その道を進むことになった。

 林道といっても人が歩くのもやっとで荒れ放題。人が作った道だが、草木が生え、小川となり自然に戻っていく姿が見えた。
 足下は小川のお陰でぐじゅぐじゅになり、靴が重い。やっと、やっと本来のルートへたどり着いた。
 今度はしっかり踏み跡の付いた道を歩いていく。


残雪苦闘の野伏ヶ岳 残雪苦闘の野伏ヶ岳
また藪かよ〜 やっと林道跡に出た


残雪苦闘の野伏ヶ岳
自然に戻る林道跡


残雪苦闘の野伏ヶ岳


左手に広い池が見えたので、一人近くまで降りていってカメラを構える。
 白山の連峰をバックに雪解け水が広がる池。この素晴らしい風景を眺めている自分がとっても贅沢に思えてくる。これだけでもここに来た甲斐があったなと思えた。

 また、この風景に会いに来ようと決めた。


残雪苦闘の野伏ヶ岳



残雪苦闘の野伏ヶ岳 温泉
温泉は満天の湯



 和田山牧場の「拓牧」の碑の前で野伏ヶ岳の雄姿を撮り、長い林道を歩いて戻った。
 やっとのことで駐車場に到着。それぞれ「お疲れ様」と労をねぎらう。その一言一言が今日はことのほか重く感じた。それくらい価値のある山行だった。

 このあと、ウイングヒルズスキー場の横にある「満天の湯」で汗を流し、帰路につきました。