涸沢経由 奥穂高岳行き
超鈍行登山列車出発進行!●場 所:奥穂高岳(おくほだかだけ)
●山 域:北アルプス
●日 時:2000年(H12)8月11・12日
●天 候:1日目 晴れ時々曇り
2日目 晴れのち曇り
●標 高:奥穂高岳3190m
●地形図:穂高岳(1/25,000)
●メンバー:亀さん、てる
●コースと参考タイム:
1日目 2日目
【上高地】5時27分 【涸沢ヒュッテ】5時30分
【横尾】8時15分/8時42分 【ザイテングラード取り付き】6時18分/6時30分
【本谷橋】9時50分/10時00分 【穂高山荘】7時15分/7時32分
【涸沢ヒュッテ】12時30分 【奥穂高岳】8時10分/8時50分
【穂高山荘】9時30分
【涸沢ヒュッテ】11時12分/12時30分
【横尾】15時08分
【上高地】18時05分
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カシミール3Dは上記をクリック 地形図は上記をクリック 地域の地図は上記をクリック
白馬岳・木曽駒ヶ岳に登ったのが6年前。それ以来、3千m級の山に登ることはありませんでした。なぜなら、フリークライミングにはまってしまったから。(^^;
山を始めた人なら「穂高」という言葉に惹かれない人はいないでしょう。上高地の河童橋までは今年のGWも含め2回訪れ、目の前にそびえ立つ穂高を見ながら「いつかは…」と思っていたそのときがやっと訪れました。
【一路上高地へ】
信州への定番コースになった名神、東海北陸道、郡上八幡ICから472号、158号線で高山を抜けて安房トンネルを通り5時間で沢渡へ。
【涸沢駐車場】
1時間半仮眠して起床。支度を整えたあとにタクシーで上高地入り。このタクシーの運転手さんが話好きで、朝方道路沿いに猿が出てくるとその日は雨になると教えてくれた。何も根拠はないそうだが、まず間違いなく当たるのだそうだ。 幸い、このときは一匹もお猿さんは見なかった。(^^)
【あこがれへの第一歩】上高地5:27
上高地のバスターミナルにはすでに大きなザックを背負った登山者でいっぱい。スピーカーで登山届けを出すように放送している。僕らも計画書を書いて提出する。
河童橋まで来ると僕らが目指す奥穂高岳が誇らしげに見えた。今までは指をくわえて見ているだけだった穂高岳。今日は違う。登れるんだ!という気持ちが逸る身体を押さえきれない。
頂きにかかっていた雲も時間と共に取れ始め、真っ青な空が視界を覆い始めた。天気は良さそうな感じ。(^^)
横尾までの道は平坦で足慣らしには丁度いい?
【浅はかな考えが裏目に】
ザックの重量は19kgほど。カメラや三脚を入れるとどうしても重くなってしまう。今までに経験したことのない重量だけに先が心配だったが、その心配がすぐに当たった。
順調に梓川沿いの道を歩いていたのだが、横尾に付く頃に足に肉刺ができてしまった。できやすい体質だとはわかっていたが、まさかこんな所でできるとは…。テーピングで応急処置を施し出発。このあとは帰るまでなんとかもったもののテープがなければと思うとゾッとする。
梓川の広い河原の向こうには北アの山々が
顔を覗かせる
【横尾から本谷橋へ】横尾8:15 8:42
昨年できたばかりの横尾にかかる橋を渡り本谷橋へ向かう。左手に切り立った断崖の屏風岩が見えてくる。
歩いている途中でテンと思われる細長いリスのような動物を見た。2mほど目の前で何やらキョロキョロしている。とってもかわいい。カメラを構えようとしたら、やっと僕らに気づいたのかパッと巣穴に戻ってしまった。チッ!(^^;
1999年に架け替えられた横尾の橋 横尾からは明神岳もはっきりと見える
正面から見える屏風岩は圧巻だ
本谷橋へと向かう途中に見える南岳
(画像をクリックすると拡大します)
本谷橋に架かる釣り橋とその向こうには蝶ヶ岳の
稜線が見える。(画像をクリックすると拡大します)
【最後の楽園 本谷橋】本谷橋9:50 10:00
細かいアップダウンを繰り返して本谷橋に到着。
ここでも新調されたばかりの橋が登山者を出迎えてくれる。ここではわき水もあり冷たい天然水をむさぼり飲む。同じく涸沢を目指す登山者がひとときの休息を味わっていた。
ここから橋を越してその奥にはちょうど常念岳から蝶ヶ岳へ続く表銀座の尾根筋が見渡せる絶好のビューポイントでもある。
コオリユリが疲れた体を癒してくれる
【足が…】
さぁここからもう嫌!というほど登山の辛さを味わうことになる。
いきなり葛折りの急坂が始まり、息も絶え絶えに登り切ると今度はダラダラと長い坂道が待っている。
ここでトラブル!。右のふくろはぎがつってしまった。苦痛で顔がゆがむ自分がわかる。ザックの重さと長距離、呼吸の量が少なかったためだと思うけれど、足がつるとは!。
まだ涸沢ヒュッテまで2kmほどある。明日のこともあるし不安が頭をよぎる。倒れながらそんなことを思いながら、ふいに横を見るとすぐそばにコオリユリが一輪だけ咲いていた。何か元気づけられているような気がして嬉しかった。こんなことで嬉しがっている僕って単純?。(^_^;
もうすぐ涸沢ヒュッテ… のはずがなかなか
近づかない。(^_^; (画像をクリックすると拡大
します)
苦痛に満ちた表情で登る僕を見かねて、亀さんがテントを持とうと言ってくれた。もう少しだしハイそうですかと行って渡すのも自尊心が許さない。とはいうものの辛い。それにここで無理をすると明日に応える。その方が亀さんにも迷惑がかかると思い申し訳なかったが、こちらの重量を減らしてもらった。持った感覚ではさほど変わった気がしないが、気分的に軽くなったと重うと足取りも軽くなるというもの。しかし、さすがは元山岳部。ここに来て亀さんの偉大さをまざまざと知ることになった。亀さん感謝。m(__)m
そんな不安とはよそに展望は素晴らしいの一言に尽きる。
雲が近い、山が大きい、空気がうまい(と思うだけ?(^_^;)。穂高に着たという実感をひしひしと感じる。そんなときは足が痛くてもカメラだけはしっかり撮っている。(^^;
涸沢ヒュッテにはビールやジュースの他に
おでんやりんご、涸沢グッズも売っていた。監視所では当日翌日の天気図や概況も掲示してあり
大変参考になります。
【涸沢ヒュッテに倒れ込む】12:30
見えるのに近づかない涸沢ヒュッテ。(^^; 同じように喘ぎながら登る登山者とデットヒートを繰り返しながらやっと涸沢ヒュッテ到着!。\(^o^)/ もう何もしたくない。倒れ込むように休憩をとる。(+_+) ここの設備はまるで山のコンビニ。おでんあり、グッズあり、もちろんジュースにビールは一番目に着くところにありました。冷たく冷やしたリンゴがうまそうだったな。(^^)
がら場の中に前客がならしてくれた場所を確保しテント
を張る。しかし、なかなか石の位置が一定にならず何度
も敷き直しした。砲台のような石垣の要塞は涸沢ヒュッテ
(画像をクリックすると拡大します)
【爆睡】
料金を払ってテントを設営しお昼を食べたあと、横になったら寝ていた。(^^;
寒さで目が覚めるともう4時過ぎ。そとではキャーキャーと若いギャルの声がする。群馬県の女子校登山部と書かれたテントを発見。むさ苦しいとばかり思っていたこのテン場に華やかな空気が流れるのはいいことだ。(^.^)オヤジカ!
山の夜は早い。事務所の天気予報によると明日は朝方は晴れるが昼からは雨とのこと。台風の影響もあるんだろう。
夜の食事を早々に済ませて8時にはナイターを聞きながらまた爆睡。
夕暮れに染まる蝶ヶ岳。静かに一日が終
わろうとしている。(画像をクリックすると
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【いざ奥穂高岳山頂へ】5:30
4時過ぎに起床。こんなにドップリと寝れたのは久しぶり。よほど疲れていたんだろう。心配した右足袋はぎも大丈夫そう。
テントから出ると前穂と北穂から降りる支尾根に挟まれたその先に、蝶ヶ岳の稜線が朱色に浮かび上がっている。
涸沢カールも時間と共に山肌が赤く染まり始めた。亀さん曰くこれがモルゲンロートというのだそうだ。朝日が穂高の山肌に写る数分前が最も赤く染まるらしい。自然ってすごい!。
そしていよいよあの奥穂高岳に挑むときが来た。そのための腹ごしらえとして朝食は消化のいいお粥。
サブザックを引っ張り出して必要最小限度の装備を入れてさぁ出発。
モルゲンロートは撮れなかったけれど、朝日
を迎える穂高岳はこんな感じです。
(画像をクリックすれば拡大します)
涸沢小屋を通りがら場を抜けると雪渓があった。心配された雪渓も渡る箇所は小規模で、持ってきたアイゼンは使うことがなかった。
ザイテングラードまでの登山道はカールを巻くように登るなだらかな道。ザイテングラードから来た道を見ているとテレビで見たチベットの風景に似ているなぁと思った。
涸沢小屋から歩くこと数十分。開けたカールの中心にはゴジラ尾根… じゃなくってザイテングラードの尾根が見える。
(画像をクリックすれば拡大します)正面に見えるワニの背中のような尾根がザイテングラード。
(画像をクリックすれば拡大します)チベットの風景っぽく見えませんか?。ザイテングラード取り付きから撮りました。
(画像をクリックすれば拡大します)
【ザイテングラード】6:18
まるでゴジラの背のようなザイテングラード。このもりもりと盛り上がった背を登っていくのだ。
ちょうど、女子校山岳部の女の子達が休憩する僕らを抜いて登る。その子達を入れてミヤマキンバイのお花畑とザイテングラードバックにシャッターを切った。女性にお花畑は絵になるなぁ〜。(^Q^)
ザイテングラードは鎖場、梯子ありの急坂が続きがら場で足場も悪い。途中ご年輩のグループを抜くときちょっとしたラクを起こしてしまいひんしゅくを買ってしまう一面も。(^_^; 皆さんも気を付けましょう。
高度を稼ぐとさらに展望が良くなり左右に見える北・前穂も目線が平行に近づいてくる。先行していた女子校の団体も抜いていく。見られていると思うとどこからともなく力がみなぎり、体が軽くなったように思うのはやっぱり気のせい?。(^_^;
お花畑のバックの被写体が女性で良かった
(^^)v
(画像をクリックすれば拡大します)ハクサンフウロは北アルプスではよく見られ
る花。
ちょっとわかりにくいんですけど、ザイテングラード
を登っている親子が写っています。
(画像をクリックすれば拡大します)ザイテングラードから涸沢を見下ろした
ところです。
(画像をクリックすれば拡大します)
穂高山荘から奥穂高岳方面を眺
める。
(画像をクリックすれば拡大します)
【穂高山荘から奥穂へ】7:15 7:32
ぜーぜー喘ぎながらやっとの思いで穂高山荘に到着。
辛さもあるが、早くピークを踏みたい気持ちでいっぱい。持ってきたお水もボトルに少なくなってしまったので、お水を補給する。飛騨の水でペットボトル500mmで300円也。
小屋の前には同じように登ってきた登山客がそれぞれの場所を選んで休息をとっている。僕らもしばし休憩。
さぁ見上げるような岩場をよじ登ろう。
高度感はあるがやっぱり岩場は楽しい。梯子が手に冷たくてしびれるが。サブザックで登っている僕らにとっては、この登りは楽しいと言えるが、はたして重いザックを担いで登るとなるとどうだろう?。
レンズの関係で誇張っぽくなっていますが、
ここでの高度感はなかなかのものです。
(画像をクリックすれば拡大します)
程なく登ると、西側に笠ヶ岳が見え始めた。GWに見たときは真っ白だったのに。そしてから涸沢岳と北穂高岳の間から槍ヶ岳が見えた!!!!!。ちょっとガスっているけど感動の一瞬。
しかし、槍が見えたのはこの一瞬だけ。すかさずシャッターを切った。
左から笠ヶ岳、涸沢岳との間には黒部五郎岳が。中央は涸沢岳、その左には小さく槍ヶ岳が
見え、左端には北穂高岳までのパノラマがずらりと見える。
(画像をクリックすれば拡大します)
急坂を登りきるとなだらかになり、右手にジャンダルムが見える。らくだのこぶを岩で固めたような姿に、本当にこんな所にルートあるの?と思える。西穂高岳へのルートだがいずれ攻めてみたい。
そして歩くこと数分。奥穂高岳山頂ゲット!。\(^o^)/
登山者はまだ少なく早いうちに記念撮影をしてしまう。ちょうど同じ時間に登頂した同世代ぐらいの女性2人と交互に撮影。穂高を制した気分に終始酔いしれた。
涸沢では繋がらなかった携帯も上高地が目の前にあるためか、ここ山頂では携帯が繋がった。早速、嫁さんに山頂コール。寝ていた嫁さんをたたき起こして一方通行で喜びを伝えた。(^_^; 先日iモードに換えたばかりで、囲炉裏の掲示板にも書き込む。(^^)
ジャンダルムとは「主峰の前に、まるで衛兵のように
立っている岩の峰」を示すのだそうです。※登山用語
集より
(画像をクリックすれば拡大します)
念願の山頂をゲット!。もう感無量です。(^^)v 山頂には社があり、綺麗な記念撮影用の山頂プレートもあった。 日本で3番目に高いところにある道標?
登山者は続々と登ってくる。女子校山岳部も登ってきたので一気に黄色い声で騒がしくなる。
時間がたつにつれて北と西側が雲で覆われ始め展望はおしまい。非常に残念。
しかし、どうだろう。このスケールのでかさは。大峰の釈迦ヶ岳も播磨の段ヶ峰もよかったけれど、ここを見てしまうと霞んでしまう。やっぱり来て良かった。辛かったけれど来て良かった。(^^)
前穂高岳への道も相当険しそう
(画像をクリックすれば拡大します)
【厳しい下山】
40分ほど山頂を満喫したあと、後ろ髪を引かれながら山頂を後にする。
穂高山荘では岐阜県のへりがヘリポートで着地離陸を何度も繰り返していた。あれはなんなんだったんだろう。
本当は涸沢岳にも登る予定だったが、予想していた時間を大幅にオーバーしていたし、体力的にも問題があったので次のお楽しみに取っておくことにする。
涸沢岳と奥穂高岳のコルに建っているのがよくわかる穂高山荘
(画像をクリックすれば拡大します)爆音をとどろかせながら、着地離陸を繰り返す岐阜県へり。こんな間近でへりを見るのは初めて。こんな所で見れるとは。
(画像をクリックすれば拡大します)何千年何万年もかけて形成された涸沢カール。
(画像をクリックすれば拡大します)
11時過ぎに涸沢到着。お昼を食べてテントを撤収。12時半に涸沢をあとにする。
本谷橋へ向かう途中で、下山する人に声をかけられた。どうやらザックの後ろに張った囲炉裏のワッペンを見たらしい。その方はぱんちょさんの先輩の方で、奥穂の南陵を登り涸沢で一泊したあとに下山しているとのこと。
まさかこんなところで声をかけて貰うとは。囲炉裏ワッペン効果絶大!。
下りとはいえ、重装備に疲れも加わって苦痛の下山となった。しかも、時間設定を誤った上に、徳沢で釜トンネルに門限があることを知らされ(午後7時でゲートが閉まる)、大急ぎで上高地バスターミナルへと向かう羽目に。
この無理がたたったのか、明神池から膝やふくろはぎがパンパンになり急いで歩くこともままならない状況になってしまった。
しかし、なんとか最終バスの1本前に乗り込むことができ一安心。
横尾からの11km歩きは、高校の時の陸上部のしごきを思い出しました。(^^;
ユリ系の花 ニッコウキスゲ
横尾からの歩きでこんなに辛いならもう二度と来るもんか!と心に誓いましたが、大阪に帰ると槍はいつ行けるかな?などと、あのとき決めた誓いはどこ吹く風です。(^^;
穂高初参戦は辛くもあり感動もありでフルコースを味わったわけですが、計画性の不備や体力不足など反省点もかなりありました(これって前にも書いてなかったっけ?(^^;)。
しかし、やっぱり穂高はとても引きつける魅力があります。ぜひまたチャレンジしてみたいです。
また会う日まで…