寒風吹きすさぶ空木岳

空木岳山頂
●山 名 空木岳
●エリア 長野県
●日 時 2009年(H21)11月14・15日
●天 候 曇り時々晴れ
●メンバー pikkuさん、しんさん、Tさん、たけさん、ハムさん、てる
●コース 臨時駐車場 6:00
登山口 6:08
駐車場 6:30
池山分岐 7:00
池山小屋の水場 7:38−7:45
マセナギ 8:29
空木平避難小屋 11:10−11:24
空木岳山頂 12:20
空木平避難小屋 13:08−13:26
登山口 17:00




このホームページ内の記録を参考にして山に登られる方は
ご自身の判断と責任において行動されるようお願いいたします


空木岳map
GPSログとカシミールの地図で表示


 天気にあわせて西へ東へ。 今年の山はこんなんばっかり。
 今回も本来の目的地は四国の剣山だった。それが天気の都合で東の方がいいとわかったのが出発前日。
 予備で挙げていた候補地、中央アルプスの空木岳に転進することになった。

 土曜日の午前中に大阪を出発し、現地へ着いたのは午後3時過ぎだった。
 今回はなんと、コテージを借りた。伊那IC近くにある大芝荘だ。
  キャンプ場、野球場、運動場、マレットゴルフ場、アスレチック、それに温泉施設がある複合リゾート施設で敷地は広大。

 いつもなら幕営するのだが、夜までは雨予報でしかもさすがに駒ヶ根は寒いと判断しコテージとなった。
 これがワリカンにすると意外と安く済む。一人頭3千円弱。
 室内は1階がリビング。2階が寝室。リビングには台所やユニットバスの他に、電子レンジや冷蔵庫もある。もちろん暖房も装備。

 着いてしばらくしてから、駒ヶ根へ向かい、明治亭のソースカツ丼を食べに行く。ソースカツ丼はこの地の名物丼だ。
 甘いがくどくない独特のソースがカツにかかり、大盛りのキャベツとご飯を一緒に食べる。これがとっても美味い!。
 食後はコテージに戻り、すぐさま温泉へと向かう。
 広い露天風呂がウリで開放感があり気持ちがいい。

 夜はコテージで宴会。
 翌朝が早いので10時には寝床に付いた。…が、何故か寝付けず寝不足のまま朝を迎えた。これが後々厳しい山行の原因となる。
 せっかくコテージ取ったのになんでやねん!。


林の中に立てられたコテージ 1階はリビング
6人なら充分な広さがある
 
2階は寝室
ベットが5つ
キッチンは電子レンジや冷蔵庫、コンロもある


明治亭のお奨めメニュー 信州ポークソースカツ丼
ご飯少なめ


 午前4時起床。
 5時にコテージを出発し、登山口へ向かう。
 高速から見えた南アルプスはオレンジ色に染まる空にシルエットとして浮かび上がっていた。
 方や目的地である中央アルプスはというと、ガーン!分厚い雲に覆われている。
 事前の天気予報でも晴れって言ってたんですけどー。(泣)

 少し気落ちしながら、駒ヶ根の街中を抜け、古城公園の標識を確認し林道へ入る。
 元々はアスファルトが敷かれていたが、削れてボロボロになったような道でスピードは出ない。ゆっくりと登っていく。
 事前の情報では林道の途中で土砂崩れがあり、駐車場まで行けないとのこと。
 確かに現場へ着くと、臨時の駐車場があり、林道はフェンスをしてある。
 その駐車場は車が5〜6台ほど置け、すでに1台止まっていた。
 

シルエットに浮かぶ南アルプスを見ながら出発 登山口


 【臨時駐車場を出発 6時】
 暗闇で支度をし出発する。
 登山口は駐車場から少し林道を戻った尾根にある。標識があるのでわかりやすい。
 ここから駒ヶ根の町並みが見える。まだ街明かりが点々と見え寝静まっている。
 駐車場での温度はちょうど0度。すでに標高1,200mあり、ここから山頂まで1,600m余り登る計算になる。
 20分ほど歩くと元の駐車場へ出る。トイレもあり利用できる。
 緩くつづら折れに延びる登山道を歩くうち、南アルプスの山並みから朝日が出る。一気に辺りが照らされ気持ちも高揚してくる。


本来の駐車場
もちろん車はない
上空は荒れている
雲がクルッと巻いている様子を撮影




旧池山小屋への分岐(左)


朝日に照らされたカラマツの木が美しい



 【池山小屋の水場 7:38−7:45】
 歩きやすい道をズンズンと進むと、旧池山小屋への分岐。しばらく歩くと大木をくり抜いて作った水場が見えてきた。
 ここで小休止。先を歩いていたTさんが新しい池山小屋を見てきたと戻ってきた。少し先に大きく立派な小屋が見える。登山道から離れているので見には行かなかったが、ここで泊まればかなり楽に登れるだろう。

 この辺りから上空は風が強く吹き始める。時おり「ゴー!」と木々を押す音が地鳴りのように聞こえる。
 しばらくは緩やかな登りが続くが、稜線に上がるように進路を変えた頃から、急なジグザグ道になり、一汗かいた頃に稜線、そしてマセナギに到着。 看板がないとなんてことない広場でここでも小休止。稜線に出ると風が強くなり、上着の調整に困る。




稜線上にある遊歩道と登山道の分岐
マセナギへはこの先


 この辺りから体の調子がおかしくなる。
 軽い頭痛、倦怠感、そして吐き気。 さらにうたた寝に似たフッと意識が飛ぶような感覚に襲われるようになるのだ。
 下山してからわかったのだが、これは高山病の症状だったらしい。
 無知が幸いして?僕自身は単なる寝不足だとばかり思っていた。だから、何とかがんばって付いていこうと必死になって、メンバーの後を追った。
 ちょうど、このルートの最難関、大地獄小地獄の鎖場が待ちかまえている。
 本来ならば鎖場のような場所は大好物の僕だが、このときばかりは、真剣に引き返そうかどうしようか考えた。
 鉄パイプの足場に鎖場。両サイドが切れ落ちたナイフリッジは高度感抜群!。 などと味わっている余裕はない…。




大地獄小地獄への入口


足場が組まれた渡しを越えると険しい道が待っている






駒岩と避難小屋との分岐









 【空木平避難小屋 11:10−11:24】
 駒石と空木平避難小屋の分岐まで来た。ここまで来ればあとはなだらかな道だ。 体は重いが気持ちは軽くなった。
 気温はさらに下がり氷点下5度。上着を着込み寒さに備える。
 辺りの木々は霧氷で真っ白。 雪は積もってない霧氷を見るのは何年ぶりだろう。
 
 空木平避難小屋へ向かい25分ほどで到着。
 先客はおらず、自由に腰を下ろす。 広くて綺麗な室内。裏側にはトイレもある。
 クリームパンを食べて一息つくとやっと普段の自分に戻れた(ような気がした)。 相変わらず頭痛はしているが体の重さは取れた。

 荷物を小屋に置いて、いよいよ山頂へ向けて出発する。
 スプーンですくったように丸くカットした地形の中を歩いていく。 本来ならば見えるはずの山頂はガスの中。駒峰ヒュッテも見えなかったが、時間と共に見え始めた。










 ガスのまっただ中の駒峰ヒュッテへ到着。
 稜線へ出たと同時に、吹き下ろす風が体当たりしてくる。
 駒峰ヒュッテへは寄らず、直接山頂へ向かう。
 徐々に辺りが明るくなってきているので、もしかしたら一瞬でも晴れないか期待を持って歩き続ける。
 そして山頂…。





 【空木岳山頂 12:20】
 山頂へ着いた途端にジャケットが風で煽られる音が大きくなった。バタバタバタバタ!。
 踏ん張って立っていないと体がよろめく。おまけにこの寒さ!。温度計を見ると、な、ななんと氷点下10度を指している!。風速20mとして、体感温度は氷点下20度くらい!?。
 寒さを通り越して素肌は痛い。ホームセンターで買った500円の目出し帽が役に立った。
 みんなが集まったと同時に記念撮影。 それにそれぞれ記念撮影をしたら、はい、下山開始!。山頂滞在時間5分!。登り6時間もかけて山頂滞在時間5分は過去例がない。(笑)
 ま、ガスで覆われていては寒い山頂にとどまる必要もなかろう。


空木岳山頂










 【空木平避難小屋 13:08−13:26】
 再び空木平避難小屋。
 タケさんやしんさんたちが持ってきたテルモスのお湯をいただいて、一息つく。
 Tさんからプチトマトの差し入れ。
 
 僕らが下山を始めようとしたとき、外にいた男性二人はこれから山頂を目指すところだった。
 彼らは九州大の学生で、この後、僕らを池山小屋の水場で抜いてゆく。とんでもない健脚だ。

 外へ出ると晴れ間が見える。
 今頃になって山頂も綺麗に見え始めた。 「今」山頂だったら…。




空木平避難小屋から下山をするときになって晴れてきた



快晴の南アルプス



木曽駒ヶ岳方面は相変わらずガスの中に包まれている


 【登山口 17:00】
 タケさんがTさんと二人で先発し、車をとって登山口へ付けておくと言ってくれた。
 残った4人でぼちぼち歩く。
 風は来たときより強くなり終始すごい音を鳴らす。

 時々休憩しては先へ進むが、日が暮れ始めるのが早く、明るい内に付けるかどうか競争になる。
 結局、登山口へ着く10分前ほどで闇になり、ヘッデンのお世話になってしまった。
 タケさんがすでに用意してくれた車に乗り込んだときは、放心状態だった。 長い一日が終わったー。

 温泉は家族旅行村アルプスの丘「露天こぶしの湯」へ。
 湯槽に体を沈めると、今日一日の疲れが吹っ飛んだ。 いいお湯だった。

 朝6時から夕方5時まで、実に11時間。
 体調の悪さもあって、今年一番の辛い山になってしまいましたが、それでも山頂を踏むことができ、しかもそれがこの時期の標高2,864mの頂となれば、達成感は別格。
 いろんな意味を持たせてくれた山行になりました。