北アルプス山系
赤木沢へ沢登り
 


●場 所:赤木沢
●山 域:北アルプス
●日 時:2001年(H13)8月15日〜18日
●天 候:晴れ
●標 高:2,622m(赤木岳)
●地形図:薬師岳・三俣蓮華(1/25,000)
●メンバー:助役、ベリさん、佐野さん、矢問さん、てる



画像に青枠が付いているものはクリックすれば拡大します

カシミール3Dは上記をクリック 地形図は上記をクリック 高低差 地域の地図は上記をクリック

有峰林道有料道路入口ゲート

 沢登りを始めて1年あまり。関西の沢を中心にいろいろと遡行してきましたが、正直あまりアルプスの沢には興味がなく(というか知らなくて)、赤木沢という沢も囲炉裏の例会で遡行する話を聞くまでまったく知りませんでした。
 すでに決まりつつあった遡行メンバーに最後に加えていただき赤木沢部隊が編成されました。(^^)

 2週間前に練習のために遡行した中央アルプスの西横川では、滑落する事故に遭った助役でしたが大事には至らず、この日も何事もなかったかのように集合場所の川西池田駅へ短パン姿で現れたのでした。f^^;)ヨウカイカ?

 矢問さんの車で一路富山県へ。名神・北陸道をひた走り午後10時過ぎに有峰有料道路ゲート前に到着。午後8時から午前6時までゲートが閉鎖されるため今夜はここで幕営。
 翌朝5時過ぎに起きるとすでに登山客らしい人でいっぱいだった。ゲートオープンと共に料金1,800円を払って僕達も折立へと向かう。折立は登山者の車でいっぱい。路上駐車もかなりあった。しかし、お盆後半期とあってか下山する人も多いらしくポツポツとあいた空地に車を停めることができた。
 まず、登山口まで歩く。すぐ近くにあるキャンプ場は緑の芝生が一面に広がり気持ちよさそう。案外穴場かもしれない。
   
1870.6mの三角点で休憩
バックには薬師岳が見える
  五光岩ベンチ付近
雲海を背に登る佐野さん
  どっしりと構える薬師岳が正面に見える
五光岩ベンチから

【7時00分】折立登山口
 登山口には大きな小屋がありお便所、水場や自動販売機もあるのでここで最後の水を補給する。支度を整えて出発。
 最初は一団になって歩いていたが各々ペースが違うので途中から自分のペースで歩こうということになり、最終の太郎平小屋で待ち合わせることになった。日陰のある樹林帯では矢問さんや助役が飛ばしに飛ばして先を歩くが、1870.6mの三角点からカンカン照りの下を歩くので、目に見えて矢問さんのペースが落ちた。反比例してぼやきは増えた。(^^;
 僕はというと昨年の夏に奥穂高岳に登った時、肉刺はできるわ、太股はつるわ、肩の筋肉痛は酷くなるわで散々な目に遭っているので今回はちょっとだけボッカ練習をしておいた。そのお陰もあって全行程遅れることなくついていけたのは嬉しかった。(^^)

【8時24分】1870.6mの三角点
 三角点で休憩中に佐野さんがプチトマトをくれた。こんな所でトマトを食べれるなんて思ってもみなかった。少し酸っぱいが美味かった。(^^)
 三角点を出発し少しのアップダウンを越えると木道と石道が見えてきた。この辺りから、振り返ると有峰湖の全容が見渡せるようになり五光岩ベンチまで来ると左手にどっしりと腰を下ろしたようにそびえる薬師岳や遠く剱岳・立山まで見渡せる。
 
 
終始カンカン照り
木道が整備されている
  「ナメクジになってしまう〜!」と
ぼやき節がとまらない矢問さん
チングルマはいたるところで見られた

【10時51分】太郎平小屋前到着
 助役に続いて2番目に到着。やったぁ〜着いた〜!。(^^)v 小屋の前は広い広場になっていてベンチも数台ある。その一つを確保し矢問さんと佐野さんを待つ。
 ここから見える北アの展望は素晴らしく水晶岳や三俣蓮華岳、黒部五郎岳など初めて見る山の頂を眺めた。
 一息ついたところで荷物をデポするために太郎平テン場に向かう。テン場は薬師岳との鞍部にあり20分ほど下る。
 テン場にはすでに先着しているベリさんのテントがあった。ベリさんはたけさんと白馬三山を楽しんだあと富山から単身でこちらへ向かったのだった。今夜泊まる薬師沢小屋のスペースを確保するために先に薬師沢小屋に向かっていたのでテントだけがあった。

    
太郎平小屋   太郎平小屋から伸びる木道はテン場を
経て薬師岳へと続いている。
  太郎平兵衛テン場の水場

 そのテントに明後日に設営するテントなどをデポしておいて、再び太郎平へ戻り、今度は薬師沢小屋へ向かって下った。当初の計画ではこのテン場で泊まる予定だったが、2日目の行程があまりにも長くなりすぎるため薬師沢小屋で区切りをつけたのだ。
 太郎平から延々と下り、太郎沢との出合で少し休憩。助役にいただいた沢の水で作ったアイスコーヒーが美味しかった。(*^_^*)
 薬師沢からは傾斜もなだらかになりピッチも上がる。木道が整備されてお花畑の中を突き進む。

     
薬師沢中俣の分岐
右手前に太郎沢
   トリカブトが咲いていた    2012mのポイントからは
なだらかな坂道に変わる

【14時20分】薬師沢小屋
 左に薬師岳からの南東尾根の支尾根が近づいてきたころにパッと薬師沢小屋が見えた。そして先着していたベリさんが「お疲れ〜!」と出迎えてくれた。
 西横川で見た熊ベリさんだったが、さらに日焼けして髭も増えて「熊」度が増していた。(^^;
 今日の行程を無事乗り越えれたことに感謝してみんなビールで乾杯する。あまり飲めない僕だけどこのときばかりは美味かった。(^^)
 このあと、ビールで気分が悪くなった矢問さんは部屋へ戻り、残ったメンバーでしばし雑談にふける。
 夕食はホッカホカのご飯にみそ汁、カツ、パスタ、春巻きの揚げ。一緒のテーブルで食べたご年輩の女性が胃がないのであまり食べれないからと、おかずを丸々提供してくれた。ありがたく頂戴する。しかし、白いご飯はうまい!。大盛りお代わり2杯!。(*^。^*)
 お腹いっぱいのまま布団に横になる。本当は布団2枚で3人ということだったが、来客がなかったのか僕とベリさんのエリアは一人一枚を占有できた。他の皆さんごめんなさい。m(__)m

薬師沢小屋に着いてベリさんと再会
とりあえずビールで乾杯!
薬師沢小屋の寝床


【5時過ぎ】薬師沢小屋出発
 4時過ぎにたたき起こされて起床。注文していたお弁当を取り外へ。まだ外は薄暗い。ベンチでお弁当を広げてお腹に詰め込む。
 すでに赤木沢へ向かう他のグループも用意していて、今日は入渓者が多そう。
 そのグループと供にするように薬師沢小屋を出発。ゴーロ帯を歩くと河原で幕営しているグループを見かけた。焚き火の残り火から昨夜は楽しい会話で湧いたんだろうなと思うと羨ましかった。

 
小屋の前でお弁当を頬張る
助役と佐野さん
   右岸を巻くか左岸を巻くか
佐野さんが先に行く
徐々に日が上がり黒部五郎
岳からの斜面にも日が当たり
始めた
 
 
赤木沢との出合いにある瀞   赤木沢への入口

 そして赤木沢との出合いに着いた。出合いの場所は瀞場になっていて流れがとても静かだ。その上流には2mほどの小滝になっている。赤木沢を正面から見るために右岸に一度徒渉し反対側から眺めた。
 ホームページなどで赤木沢の素晴らしさは知っていたので、正直言ってこの入口を見たときは「これがそう?」と思ってしまった。
 しかし、なんと言っても赤木沢。進めば進むほどその素晴らしさをお披露目してくれる。

 まずは2段20m。浅い淵を持つ赤茶けた岩の上を流れる滝に両岸は深い緑、そしてバックには真っ青な空という自然のバランスに思わず歓喜の声が漏れる。 さらに歩くとナメ滝が現れる。幾重にも流れ落ちるワイドな滝。高さこそ余りないもののジェラシックパークを思わせるその景観にみなが酔いしれる。しかも、どこからでも登れるのでまた楽しい。
 誰の口からも「きれい〜!」「すばらしいぃ〜!」「来てよかったぁ〜!」の声が連発する。
 続く4段の連滝は、1段目は右岸を直登し2段目は左岸を高巻く。

 
まずは2段20mが出迎えてくれる   ナメ滝はどこからでも登れそう

 
4段の連滝   4段の連滝の上段は軽く左岸を巻く


 5m+4mの連瀑。5mは左岸を巻くが切れ込んでいる部分があり、そこは一度腰まで浸かって突破しなければならない。先頭に助役が行ってくれたので、ある程度の深さがわかり、こちらは安心して浸かれる。m(__)m しかし、腰まで浸かるとかなり冷たい〜!。(^^;


 
5m+4m    滝の左岸を浸かって突破。お腹ま
で浸かるのは後にも先にもここだ
けだった(佐野さん撮影)


 階段状になった多段の滝。この赤木沢を象徴するような滝だ。V字に切れ込んだ斜面には夏の草花が咲き、明るく開けた渓相の奥には北ノ俣岳から黒部五郎岳を結ぶ稜線も見え始めた。雄大な景色。ここに来て本当に良かったと心から思う。

多段の滝

4m+階段状の8m

 
 そして赤木沢最大の滝、30mの前に到着。ここで再び小休止。小屋で頼んだお弁当を平らげる。食後には助役が入れてくれたコーヒーで一服。至福の時だ。
 佐野さんが滝の壁を見上げている。登れそうなルートを探っているようだ。

 休憩を終えて、まず高巻き作業に入る。30mの滝から少し戻った左岸に、真っ直ぐ伸びる巻き道がある。ちょうど僕たちがここに到着するときに、先のグループが登って行ったのでわかっていた。高巻くと滝口の上に出る。下を見ると別のグループが到着したところだった。

 
赤木沢最大の滝30m   30mの滝の高巻き左端の
岩が滝。中央から右上に登
がるのが巻道


  
滝の落ち口から祖母岳を望む   二俣到着。右の3mの滝を登る   上部にも立派な滝がある
(助役撮影)


 少し歩くと右手に3mの小滝が現れた。二俣だ。この小滝を登り右手の沢にはいる。
 このあたりの小滝には苔がびっしりと付いていて、触るとふわふわするほど。それを見た助役とベリさんが指を立ててブスブスとやっている。お二人とも楽しそうだがこれについてはあまり深くは書かないでおこう。(^^;

 二股から少し歩くとさらに二股になっている。トポにはない二股で右か?左か?とみなで議論。僕も地形図を眺める。ほんの小さくぽっちりがある。これは沢では?と提案。これがみごと受け入れられそちらに進むことに。地形図が少しでも読めたことが嬉しかった。(^^)v

 途中、木の枝にわらじがかけてあった。それを見て佐野さんが「これがミヤマステワラジ」と一言。一拍の空気が流れたあと、大爆笑!。(^Q^) 結局この一言が赤木沢大賞となった。f^^;) こんなことや、ベリさんが囲炉裏のバンダナを日よけにかぶっている矢問さんを見て「屯田兵や」とか言うもんだから、笑いが止まらない。最後の最後で登りがきつくなってきているのに登られへんやんか!。f^^;)

 源流が近くなると沢幅も狭くなり傾斜も厳しくなる。すると一気に吹き出したのが矢問さんのぼやき。(^^; 「暑い〜!」「こんなん沢登りとちゃう〜!」 「△×■◆◎ー!!!。」あーうるさい。f^^;)


   
稜線を間近に控え最後の休憩   一歩手前はガレ場   最後は気持ちのいい草原を登って…

稜線に上がって振り返るとこんなに素晴らしい展望を独り占めすることができます


【10時45分】遡行終了 
 沢も涸れて近づく稜線。目の前には一面緑のお花畑。後ろを振り返ると北アの著名な山が手に取るように並んでいる。お花畑を詰め上がり岩棚の上でフィニッシュ!。遡行に感謝してみなさんと握手を交わす。
 こんな素晴らしいフィニッシュが待っているとは!。最後の最後まで何て素晴らしい沢なんだろう!。
 記念に揃って撮影して、靴を履き替え太郎平兵衛テン場へと向かう。
 赤木岳、北ノ俣岳、そして佐野さんのたっての希望で太郎山のピークを踏んで太郎平小屋前に到着。稜線を歩いているときに槍が見えたり、西を見ると雲海の先に白山が見えたりと帰りでも満足させてくれる。
 太郎平小屋でビールを買って乾杯。矢問さんは前日ビールで気分が悪くなったのでペプシだったが。(^^;

 
感動をそのまま記念写真に…   まず北ノ俣岳を目指す

黒部五郎岳(右)の奥には
槍が穂先を出している



 
北ノ俣岳山頂で休憩    薬師岳を正面に
テン場を目指す
  太郎山の三角点で記念撮影

 太郎平兵衛テン場に戻り、テントの設営にかかる。
 今夜は矢問さんと僕が食当にあたっているため、すぐにとりかかる。といってもほとんど矢問さんにおんぶに抱っこだったが。f^^;)
 今夜のメニューはワンタンスープの前菜にレトルトカレーとサラダ、そして焼き鳥。事前に僕のために少々お米を多めに持ってきてくれた矢問さんに応えて、ご飯大盛り、たっぷりお腹いっぱい食べた。くるちー!。(x_x)
 食後、早々に助役はテントへ。残ったメンバーで雑談するも寒くなってきて、僕はテントへ。
 シュラフに入って目をつむるが疲れすぎてかなかなか寝付けず。うたた寝を繰り返し12時頃テントを出た。夜露がビッシリとフライに付いている。空を見上げると一面、星!星!星!。薬師岳の西側から北ノ俣岳にかけて白く銀河が流れている。一人占めの世界。全てが最高だった。

太郎平小屋前で
ペプシ&ビールで乾杯
  テントをジョイントした
タープ仕様の下で夕食を囲む


 朝、5時頃起床。すでに出発したグループもありテントがなくなっていた。
 朝食は味噌煮込みうどん。コック長の矢問さん、味付けにちょっと失敗したようで「辛い辛い」と連発。f^^;)
 テン場に日が当たるのを待って夜露で濡れたテントを乾かす。

テン場から少し上がったところから見え
た黒部五郎岳 登坂意欲をそそられる
  テン場の全体写真
左端の奥に水場とお便所がある

【8時過ぎ】太郎平兵衛テン場出発
 今日も天気がいい。太郎平、五光岩ベンチ、三角点、登山口と一気に下る。10時49分。到着。
 昼食は五目寿司とわかめスープ。疲れた体に酢飯が美味しい。ボーイスカウトのグループが集合して登っていく。聞くと三角点まで登るらしい。この中から何人の子達が山登りを続けてくれるんだろうと思いながら見送った。

槍ヶ岳縦走線歩道整備工事
の看板を記念に佐野さんと
パチリ!
  折立への下りで見えた白山   剱岳・立山が綺麗に見えた

折立到着 最後は小屋の前で
昼食シーン

 
 さぁ今度は温泉だ!。ベリさんご推薦の富山厚生年金休暇センターの温泉(詳しくは「村の温泉巡り」へ)へ。
 大浴場にサウナ、寝湯、うたせ湯などあり、一番気に入ったのは圧注浴。立ったまま手すりにつかまると太股にジャグジーが当たり気持ちいい!。これは登山者用に考案された風呂だろうかと思ったり。
 3日間の想い出(アカとも言う)をきれいさっぱり洗い流し、何かホッとした。
 帰る車の中からは山の頂に雲がかかり天気の悪化を思わせるようだった。最高の天気に最高の沢登り。今年も夏の想い出をしっかりと残すことができて大満足な一時でした。
 みなさん、お疲れさま。本当にありがとうございました。