芦生 ゲロク谷右俣へ沢登り 


●場 所:芦生 ゲロク谷右俣
●山 域:京都北山
●日 時:2003年(H15)6月21日
●天 候:曇りのち晴れ
●標 高:931.7m(小野村割岳)
●地形図:久多(1/25,000)
●メンバー:矢問さん、大加茂さん、みーとさん、てる



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 「芦生」。囲炉裏では癒し系の山域としてその名が知らしめられていて、一度はその地へ足を踏み入れてみたいと前々から思っていました。
 ちょうど矢問さんと話が合い、大加茂さんを含めた3人の癒されたい人グループとニューシューズの試し履きのみーとさんの4人で訪れる機会ができました。

 京大演習林とは「動・植物の生態や分類に関するもの、林業や林産業に関するもの、気象や地形など自然環境に関するものなど学術研究及び実地演習を目的として、旧知井村の九ヶ字共有林の一部(4,179.7ha)に99年間の地上権を設定し、芦生演習林と称したことに始まる」(京大のホームページから)とあります。
 ようするに京都大学農学部の演習林として大学が地元から借り受けて運営しているということです。
 尚、現在は正式名称は京大演習林ではなく、今年の4月からフィールド科学教育研究センターの発足に伴い、森林ステーション・芦生研究林と改称されたそうです。


 それでは本題へ…。 
 嫁さんと娘を須磨の実家へ送って、その足で今度は矢問さんの自宅へと向かう。しかし、阪神高速で事故があり渋滞に巻き込まれて到着が1時間も遅れてしまった。m(__)m
 今回も矢問さんの車を出してもらって途中でコンビニで夜食、朝食、昼食を買い込み、途中で幕営。時間が遅くなったので、小宴会でお開きにして就寝。

 翌朝4時半に、矢問さんにたたき起こされる。3時間も寝てない〜!。眠い〜!。と訴えても容赦なく車は走る。(^^; ほどなく京大演習林事務所前に到着。
 ここには無料の大きな駐車場がある。青少年山の家の駐車場だそうだ。すでに車が一台。前夜から入っているのかなぁ?。近くの民家に飼われている犬がうるさい。(--;)ワン!
 僕だけここから沢靴に履き替える。

【5時28分】駐車場を出発
 梅雨の中休み、台風一過、いろいろありますがとにかく天気になってくれました。(^^) ただ、朝は靄が一面にかかり薄明るい空を眺めながらのスタート。
 ほどなく京大演習林の事務所・寮がありトロッコの倉庫が見えて、その先には線路が続いている。この鉄道の正式名称は京都大学芦生演習林森林軌道(通称:芦生森林鉄道)というそうな(宮脇俊三著 鉄道廃線跡を歩くIIIより)。 鉄道ファンでもある僕は廃線跡のこんな風景が大好き。もうちょっと歳をくったら廃線跡巡りをしたいと思っているので今回はその下調べもの意味もあるようなないような。(^^) 
 このままカズラ谷出合まで線路の上を歩く。この鉄道は昭和50年まで上記の調査研究のために動いていたそうだが、その後廃止されたものの平成に入って再び軌道も整備され、灰野付近まではトロッコが走ることもあるそうだ。 確かに灰野付近までは古くなった枕木とは別に、それほど古くはないコンクリート枕木が敷いてあった。その線路をひたすら歩く。
 錆びて赤茶けた線路に沿うように生える草木。その上を木々が覆い、歩いても歩いても同じような風景だが、まるで宮崎駿さんの映画であるトトロでも出てきそうな雰囲気で飽きさせない。


由良川沿いに延びるトロッコ軌道
今にも列車が走ってきそう
小ヨモギ作業所では
白樺林が出迎えてくれる


【6時15分】小ヨモギ作業所
 右手に今までとは違う樹木が見え出す。白樺林だ。しっとりとしてとても美しい。ここで小休止。
 このあたりから先はトロッコ道も落石や土砂崩れ、橋の崩壊など痛々しい姿になる。
 橋は骨組みが腐っていて、渡るのに怖々及び腰。毎回矢問さんが先頭を切って渡ってくれるので安心して渡れるが、体重的に不安のある僕は毎回がロシアンルーレット。(~_~;) 芦生の森は体重を落としてから行きましょう。(^^;

【6時54分】カズラ小屋
 ここから3人は沢靴に履き替える。矢問さんの靴は張り替えができるソールで沢用のフェルトに交換している。歩いている途中で剥がれないのか疑問だったが問題なかったみたい。20分ほど休憩の後出発。


 
軌道は所々崩壊していて渡るのも怖々
もしかしたら今回の核心部?(^^;
(みーとさん撮影)
  カズラ小屋でソールを張り替える矢問さん


【7時36分】ゲロク谷出合
 しばらく歩くと右手からカズラ谷へ沢が流れ込んでいる。矢問さん、大加茂さん共々GPSでゲロク谷と確認し入渓。
 岩や倒木にびっしりと付いた苔の緑、木の葉の緑が癒してくれる。道もない足跡もない人間があまり入り込んでいない自然の原型がここにあるようで、体いっぱいにその空気を吸い込む。
 最初はそんな平静な森、平静な流れに気持ちがトリップしていたのか、はてまた久しぶりの沢登りで勘が戻っていなかったのか沢中へ足が進んでいなかった僕だが、矢問さんから「沢の中を歩かな!」と言われてふと我に戻り、「おぉ!そうそう!」と沢へ足を踏み入れた。(^^)

 しばらくすると小滝が続々と現れて、元祖フリークライマーの本領発揮!(^^) 出てくる滝は片っ端から直登する。適度に難しくて面白くってしかもシャワーの連続。矢問さんも気合いバリバリでこっちが躊躇する滝でも登ってしまいます。(^^;
 みーとさんは買ったばかりのモンベルのサワートレッカーの履き心地を試すように歩いている。
 大加茂さんは登れそうな滝は巻きに入り、登れなさそうな滝になると登ると言い出して、でも結局登れなかったりして楽しませてくれます。(^^;;;;;

  
鹿の骨は至る所に見られた
このへんが芦生の森らしいところ
  カズラ小屋付近の朽ち果てた
トロッコ軌道の橋
  いよいよゲロク谷へ


倒れた大木の上を流れ落ちる沢の流れ 苔がびっしり 緑の世界に引き込まれる


やらしいところはシュリンゲでフォローする
(矢問さん撮影)
  2条10mの滝


【8時04分】2条10mの滝
 トポにも左を巻くように書いてあるが、みーとさんのお知り合いの人はこれを直登したそうな。しかも1時間余りかかって登ったと聞いた。ちびりそう…。(^^; ということで左を大巻きすることに。
 矢問さんが先に偵察してくる。沢へ傾斜していて足場は悪そう。僕はさらに左の岩場をよじ登る。途中で矢問さんの工作ルートに合流し、矢問さんに続いて登る。後方のみーとさんと大加茂さんが心配だったので、矢問さんにロープを要請。大丈夫とみごと却下される。(^^; 2条10mとその上の8mも巻き上がるが適度な下降点が見あたらない。
 さらに数十mよじ登ったあと、比較的緩やかな傾斜の場所へ出た。これなら懸垂をせずともゴボウで降りれそう。念のため懸垂で下降するが1ピッチでは下れず、途中の倒木でピッチを切って、そこから先はゴボウで下る。
 下ったところは左俣と右俣の分岐から左俣へ50mほど入ったところだった。 ここで少し休憩。


2条10mの滝を巻上がる
みーとさん
  左俣へ懸垂下降するため
セッティング中の僕
(みーとさん撮影)
  懸垂下降中のみーとさん


【9時25分】左俣右俣の出合
 少し下って出合まで戻る。ここからは本格的なシャワークライミングの連続。
 まず最初の8mは右側にホールドが豊富にあり、それを掴みながら登る。続いて矢問さんもソロで登り、みーとさんはロープを出す。「大加茂さんはロープいる?」と声をかけると、間髪入れずに「いります!」。(^^; 登ってきた大加茂さんは水の冷たさに手をプルプルと振って見せた。(^^)
 その後は平流になり目の前には大木が立ちふさがる。木の根を乗り越えて沢が流れる。これほどの大きな根っこを持った大木は何百年前からこの地を見てきたのだろう。


 
ゲロク谷左俣右俣の
右俣入口8m
(矢問さん撮影)
   自然の豊かさを示す大木   苔の絨毯の上を歩く
 

【10時25分】10m+10m
 倒木が沢をふさいでいると思いきや、右に倒木のトンネルがあった。出口が越すかくぐるか微妙で越そうと思ったら矢問さんが「くぐった方がええよ」と言うので、くぐろうとするとザックが支えてくぐれない。ザックかぁ?やっぱり芦生は体重制限ありや〜。(ToT)

 目の前には10m+10mの滝。直感で登れそうと思った。矢問さんとどう登るか相談したが、結局矢問さんは巻き上がることに。その矢問さんに途中で僕がつっかえたらロープ出してくださいとお願いしておいた。
 3人が巻き上がっている間に直登トライを試みる。が、最初は水量に負けて断念。2回目も同じ場所でダメ。ホールドは豊富にある。滝の流れの中に見えているのだから。あとは気持ちだけ。ヨッシャ!と気合いを入れて再トライ。落ちる滝の中にホールドを探しながら登る。あるある!。登れる!。(^^) まず、下の10mをクリア!。左を見ると大加茂さんとみーとさんが不安そうにこちらを見ている。心配かけてごめんね。(^^ゞ
 次の10mは左上へバンドがなっていてそれをなぞりながら登ると、下の10mよりラクチンだった。巻き上がって先着していた矢問さんに感想を話すと悔しそうな顔をしていた。(^^;


  
10m+10mの手前には倒木が通せんぼ    10m+10mの滝を見上げる
(みーとさん撮影)

10m+10mを登る僕
(大加茂さん撮影)

上記の滝のテラスから撮影した巻上がる
大加茂さんとみーとさん

 10m+10mを終えてもう終わりかなと思いきやまだまだ滝は出てくる出てくる。
 6m+斜8mは細く樋状に流れていて左から巻く。 次は倒木が突き刺さったゴルジェ状になった6m+2m+6mが現れた。最後の6mがちょっといやらしく、見た目はそれほど難しくなさそうだったが、ステップが細かく滑りやすかった。ここは矢問さんがトップで登ったが途中でスリップし思わずフォローの手が出そうになった。みーとさんと大加茂さんはロープを出した。

優しい流れに気持ちも癒されます〜   6m+2m+6m   矢問さんのフォローで
みーとさんが
上がってきた


 さらに進むとまた倒木が突き刺さっている。この谷は倒木が多い。その先には斜6mがある。ちょうど日が差し込み水面に反射しキラキラと光っている。
 流れは次第に細くなり、あたりは落ち葉の絨毯となる。水も枯れる頃にはすっかり体温も上がり、涼しかった今までが嘘のように暑く、しかも傾斜が急になりいっきにペースダウン!。最後の稜線までの200mほどはきつかった〜!。(+_+)


  
斜6m    源頭部近く


【11時45分】911のピーク
 やっと911のピークに到着。(~_~;) 記念撮影をして、小野村割山へと向かう。しばらく歩きながらGPSを見るとどうもルートをはずしているように見える。もう少し歩いたところで矢問さんや大加茂さんのGPSを確認してもらうとやっぱり間違っていた。北東のゲロク谷から登ってきて、そのまま西へ尾根を歩いていたよう。 GPSがなかったらどこまで進んでいたことか。
 引き返して今度は正規ルートを歩きますが、支尾根がいくつもあり、GPSや地図+コンパスがないと靄がかかっていたりすれば、迷いやすい場所だと思います。
 

  
大木のある911ピークで記念撮影
(矢問さん撮影)
  この道標が目印


【12時19分】小野村割岳
 小ピークをいくつも越えてやっとこさ小野村割岳に到着。すでに先客がお昼を取っていた。矢問さんがその人達と話しているのを聞いていると下ノ町から登り佐々里へ行くということらしい。以前、登山ルートで登ったことのある矢問さんだからできる会話で、こっちは地図を広げないと位置がまったくわからなかった。(^^;
 展望は思ったほど望むことができず、東に見るとわずかにピークが見えるので武奈ヶ岳かなと思ったら白倉岳というその手前にある山だった。
 お昼を食べて記念撮影後、早々に小野村割岳を後にする。


小野村割岳で記念撮影
(矢問さん撮影)

【12時41分】小野村割岳出発
 911ピークまでは来た道を戻る。911からが問題で北へ延びる尾根の西側へ下って赤崎東谷へくだらなければならない。間違って東側へ下るとゲロク谷へ逆戻りだ。そうなると懸垂下降のオンパレードとなってしまう。それだけは避けたいということでGPSを屈しして赤崎東谷の下降地点をさぐる。
 が、トポには911からすぐ西側に「初め緩やかな斜面」と書かれているが、どう見ても緩やかそうには見えない。矢問さんを先頭に半信半疑で911のすぐ西側斜面を下るが、しばらくして確かに緩やかになったものの、今度は小滝が連続する結構な高さの滝頭に出てしまった。これは下れないと判断し、西側の支尾根を越えて谷筋に入る。
 その先は急な斜面(下画像)で、途中から834尾根寄りの谷筋に向かって下降し、そこから一気に西へと谷を下る。赤崎東谷本流に入ると様相も変わり広くなだらかな傾斜。矢問さんの導きで事なきを得た。(^^)

【14時頃】834尾根の真南あたり
 矢問さんが時計を見ながら「時間がかかったなぁ」と難しい顔。あとは赤崎東谷をずんずん下ればいいのだが、これが長い!。(--;)
 
【15時13分】赤崎東谷出合
 もういやだ〜!。(ToT) と何度思ったことだろう。(^^; 堰堤を過ぎてやっとこさ赤崎谷出合に到着。
 ここは橋が崩れているため歩く道はショートカットされていて朝は通っていない。記念に道標の前で記念撮影。
 僕以外はここで登山靴に履き替え。僕は最後までサワートレッカーと共にする。ソールが柔らかいのは登るときはいいのだが、アプローチなど特にここ芦生はトロッコの枕木が足裏に当たって痛い。帰りはなおさら。(ToT)
 
急斜面を下る
大加茂さんとみーとさん
  この標識が恋しかったよ〜とチュウ(^^;
(矢問さん撮影)


 ここからは矢問さんを先頭に超ハイペースで歩き倒す。GPSで速度を測ったら5km/h以上出ていた。

【16時頃】駐車場に到着
 ヘロヘロ。(@_@) さぁ温泉だぁ〜〜〜〜〜〜。(ToT)
 今回はこの近くにある美山町立自然文化村「河鹿荘」の薬草風呂へGO!。ここは温泉ではないが薬草やバラ風呂があり趣向を凝らせたお風呂となっている。ロビーには自家製のパンやソフトクリームも販売していてどれも美味しい。(*^_^*)
 帰りも矢問さんに運転していただいて、途中からは夢の中…。気が付けば矢問さんの自宅近くだった。矢問さんすみません。m(__)mm(__)m
 矢問さん家に到着するとMICKEYさんのお出迎え。そのあと解散。僕は再びさとみとまなちゃんの待つ須磨へと向かいました。

 ゲロク谷右俣は僕のレベルにはぴったりと当てはまる滝が連続し楽しむことができました。芦生の森に癒されて、仕事などの疲れから解放されていい一日を過ごせました。下りの赤崎谷東は長すぎて厳しいの一言。左俣へ行く機会があれば違うルートで下山したいと誓う4人でした。(^^;