八池谷(八淵の滝)
 ゴルジェ帯を遡る
 

●場 所:八池谷(やついけだに)[八淵の滝]
●山 域:比良
●日 時:2000年(H12)7月30日
●天 候:曇り
●地形図:比良山(1/25,000)
●メンバー:亀さん、よるのちょうさん、てる
●コース:ガリバー村→魚止滝→障子の滝→空戸の滝→大摺鉢→貴船の滝



カシミール3Dは上記をクリック 地形図は上記をクリック 地域の地図は上記をクリック

 今回は沢登り2回目にして、とても初級者とは思えない無謀な遡行をし命からがら、でも楽しんできました。(^.^)ナンノコッチャ
 今回の八池谷は前回の白滝谷同様初級者向けの沢だという。  天気予報は曇り時々晴れ。九州の西側で停滞している台風の影響が気になる けれど、今のところ問題なさそう。
 大阪を7時半に出発し名神、湖西道路、477号線、367号線と順調に快走。しかし、林道鴨川村井線、入部谷越の県道はいずれも崖崩れのため通行止め。そのために超大回りコースでもある安曇川沿いに高島村に入り、ガリバー村へと向かう羽目になった。かなりのタイムロス。(=_=;)


ガリバー村のゲート付近


 このガリバー村の手前には、祖母の実家がある。久しぶりにここへ来たのだがガリバー村ができて、まわりの豹変ぶりにビックリ。とにかく道が良くなっている。あとでわかったけれど、大型バスまで入れるほど道が良くなっている。昔は乗用車でもやっとだったのに。
 しかし、このガリバー村、登山者には不都合この上ない。何せこの施設ができるまではフリーパスで入れたのに、現在はゲートで門番の方がおり、通行だけでも施設利用料をとられる。
 僕らは直接ガリバー村に用事はないが、通るためにはここに駐車しなければいけないので駐車料金400円を払わされた。(=_=;) 尚、施設を利用するためには一人別途400円を徴収されるので注意。
 支度をしていると雨がポツポツ降ってきた。山の頂はガスッたまま。
 ガリバー村の施設を抜けると杉林になり、らしい雰囲気になってくる。途中から車が入れないように木を倒して通せんぼしてあった。さらに進むとトポにあった林道終点の駐車場があった。簡単な地図の看板がある。

現在、クルマは入れない林道終点にある駐車場

 そこからすぐのところで三方に道が分かれている。その中で沢筋に降りている道をチョイスした。  ところが、この道は八池谷へ直行していたものの、最後は3mほどの堤防に阻まれ降りれない。いきなりザイルを使って降りることに。これがザイルを使 う序幕なろうとは思いもしなかった…。
 ここから遡行することになり、準備をしているといつの間にか亀さんのザックに毛虫が紛れ込んでいた。何も知らない亀さんは手を入れて刺されてしまっ た。亀さんの腕は見る見るうちに腫れてくる。ちょうど持ってきていたマキロンをふりかける。ま、大事に至らなくて良かったが。

本来の入渓ポイントに架かる橋をくぐる

 遡行を開始してすぐに堰堤があり連続して2つ、これの右側を巻いて登る。 巻き道はあるがとてもわかりにくく、途中で見失って土壁を登る羽目に。  このあとは緩やかな沢筋を遡る。気温はそれほど高くなく水温も高い。ジャバジャバと膝ぐらいで楽しめる。大岩が多いがステミングで越せる箇所が多く面白い。

まずは小手調べ 岩間の小滝を遡るよるのちょうさん

 魚止岩でよく喋るおじさんに出会った。ある団体のまとめ役的な人で今日は下見を兼ねて来たとのこと。30名が登るコースとしては無理があるようで、 ここは登れないと言っていた。確かに貴船の滝から先は鎖場があり、それもかなりの高度感で団体には向いていないと思われる。

魚止めの滝

 魚止滝は右岸が登れるらしい。一旦、右側を登ったあと、クライミング的には面白そうだったので、よるのちょうさんがトップから懸垂して登り直そうとせがむ。が、時間が押していたのであとで時間が有ればと言うことで納得しても らった。(^^;
 そしていよいよ本日のメインイベント、障子の滝、空戸の滝へとやってき た。トポには「初級者は巻いた方がいい」と書かれていたが、踏み込んでしまった。いわばゴキブリホイホイのように滝の匂いに誘われて吸い込まれていくような…。(^^;
 障子の滝は大岩に阻まれた2段10mの滝。ここは黄色に塗られ打ち込まれた足場と鎖、そして梯子を使って登る。

障子の滝7m 障子の滝付近にある梯子と足場

 上部まで登ったところで、空戸の滝へ遡行するか、登山道をいくか検討。偵察にと僕が大ゴルジェ帯に入った。両岸は10mほどの岩壁でV字型になっていて浸かると胸のあたりまで水量があった。こんなに浸かるのは沢をやって初めて。
 流れに逆らって押し進むと右折れになって8mの斜瀑。この上に登らないと先が見えないのでさらに上を目指す。心配そうに見上げる二人を後目に登るとさらにゴルジェ帯が続き7mが見えた。
 7mには深い滝壺があり、その左側が幅50cmほどのスラブになっている。適度にカチや細かいホールドがあ りそうなので思案した結果、登ることを決意した。落ちても滝壺だし(やせ我慢(^^;)。

空戸の滝の入口、大ゴルジェ帯に突入
(亀さん撮影)
ゴルジェ帯の出口はステミングで
(亀さん撮影)

 下で待っていた二人に登るように声をかけ、二人とも登ってくる。7mのスラブをいけると判断して呼んだのだが二人の顔を見ると、意志がぐらつく。(^^;  僕はハーネスを忘れたのでプロテクトする装備がない。二人の確保用に腰にザイルを巻いてクライミング開始。
 ちょうど手を伸ばしたところにチッピングしたあとのような箇所があり、ありがたく使わせていただく。本当はチッピングしてはいけませんよ。(=_=;)
 幅は細いが適度にホールドがあり、あとは足を滑らせないようにすることとバランスに注意し慎重に高度を上げてなんとか滝壺を回り込めた。
 登り切ると沢幅は広くなりナメの風景がホッとさせる。薄暗かったゴルジェ帯と比べ対照的に明るくなったせいもあるだろう。

偵察してきた僕に続いて、二人もゴルジェ帯に突入


鋭角に曲がって斜瀑2条8mはシャワーしながら快適に登れる


7mの滝の左側には外形のスラブがあり、そこは
フリークライミングで培った技術が生きた?
(亀さん撮影)
フィックスしたザイルを伝ってちょうさん、亀さんが遡る


この崖を登ると大岩壁が…


 二人を確保したあと、今度は右側に移り岩壁を登ると最後の最後で沢を挟んで大岩壁に直面した。これをよじ登らなければ抜け道がない。見た目にはそれほど難しいとは思わなかったが、高さが15mほどある上に雨で濡れて滑りやすい状態になっている。万が一、滑り落ちればひとたまりもない。
 さすがに今まではノープロテクションできたが、見かねた亀さんが即席ハーネスを作ってくれた。スリング二つを使ってカラビナで繋ぐという方法だ。
 この大岩壁の右に斜瀑6mがあり、大きな滝壺をかかえている。登山道からは見えないだろう。
 沢を渡ってクライミング開始。  下部は段々に岩がなっていて階段的に登る。中段からが問題。右側がツルツルのスラブ。直登は細かいスタンスしかなく、左へ逃げるか…。と思っていたら目の前にピッカピカのRCCボルトが打ってあった。
 ここまでノープロで登ってきた僕にとって、これ以上ないご褒美に見えた。 w(^o^)wアリガタヤアリガタヤ
 しかし、このボルト新しい割にはグラグラだったということがあとでわかっ た。知らぬが仏でそんなことを知らない僕は水を得た魚で俄然勇気が出てきた。
 左にトラバースし一枚岩の左端まで来ると、細かいながらもスタンスが見つかり慎重に登る。あと3mとなったときに上から声がかかった。「こんなとこ から登ってきたんか!」そんな声に答える余裕はなく黙々と登ってやっとやっ と登山道へ戻れた。
\(^o^)/


大岩壁の右側には美しい斜瀑6mがある
(亀さん撮影)




大岩壁クライミング中に撮った下部の景色
どこにこんな余裕があったのか今でも不思議
大岩壁の中部にあったRCCボルト。
しかし、グラグラでプロテクションに
は使えない。

登山道から見るとこんな感じです。

無事に登れてちょっと得意げ?


 早速、立木にフィックスし下の二人にコールする。二人はプルージックで登ってきた。  3人やっと安堵の笑顔が出て無事をたたえ合った。
 目の前には「安らぎ」という言葉が似合いそうな大摺鉢が迎えてくれてい た。極度の緊張感から開放されたためか終始放心状態の僕。ちょうど、時間も時間と言うことでお昼にした。  大釜を前にして滝の音を聞きながら大摺鉢のナメ滝を眺め食べたお昼は、 疲れた気持ちをいやしてくれる。とてもいい時間を過ごせた。


大摺鉢に来ると安らぎを味わえる



なだらかに流れる大摺鉢のナメ滝



深い滝壺を持つ屏風滝 30mの直瀑は貴船の滝


 遡行はここから小摺鉢を越えたところ屏風滝の前の大釜で終了。最後に高さ30mの貴船の滝を見て登山道を引き返す。  ちょうさんは元気満々でさらに上を目指そうと言うが、もうすでに3時をまわりこっちはくたくただったので、またの機会ということで勘弁してもらっ た。(^^;
 今回の遡行は反省すべき点が多かったです。  まず、装備の不備。それに無謀すぎた決断でした。経験からいっても、この状況では引き返すべきだったでしょう。今こうして文章を書けていることが不思議なほど無茶なクライミングだったと思います。下で見ていた二人はさぞか し不安だったでしょう。(^^;  しかし、無事だから言えることですがいい経験をさせてもらいました。
 やはり初級者は登山道をおとなしく登る方が無難でしょう。